ミルボンの2022年12月期第3四半期は、売上高324億700万円、営業利益56億6200万円、経常利益は前年同期比15.6%増の60億4200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益15.7%増の43億1000万円だった。今期から、従来営業外費用としていた売上割引を今期から売上高より控除しているため、売上高、営業利益の比較はないが、前期数値を今期の基準に合わせて調整すると売上高は11.0%増、営業利益8.4%増と実質増収増益となる。

売り上げは、カラートレンドが続く中で染毛剤の需要が引き続き堅調だったことに加え、プレミアムブランドを中心にヘアケア用剤も好調に推移。また、海外では韓国、米国、その他地域の好調に円安がプラスに乗ったこともあって2桁増を確保した。利益面では、原材料コストの上昇に加え、中国工場関連や海外R&D費用の計上により、営業利益率に影響を与えた。

前期数値調整後の部門別売り上げは、ヘアケア用剤部門が9.8%増の184億1500万円。カラー人気を背景にしたヘアケアニーズが国内外で増加したことが追い風になり、プレミアムブランドが13.4%の大幅増となった。ECサイト「milbon:iD」の導入が進んだこともプレミアムブランドの伸びを後押しした。第3四半期時点の「milbon:iD」の登録美容室は4566軒、登録者数36.3万人、EC売り上げは7億3000万円と着実に拡大している。ブランド別にみると、「オージュア」が6.3%増の68億3800万円、「グローバルミルボン」が30.5%増の36億2700万円だった。

染毛剤部門は14.7%増の123億3300万円。国内ではブリーチオンカラーの人気が継続していることもあり、主力の「オルディーブアディクシー」が16.7%増の52億4600万円と伸長したことに加え、6月に発売した新製品「ENOG」の売り上げがプラスオンとなった。海外では染毛剤が主軸の韓国での継続的な伸長が海外全体の染毛剤の売り上げを押し上げ22.9%増となった。そのほか「ヴィラロドラカラー」が10.4%増の7億3700万円と好調だった。

一方、化粧品部門は6.0%減の3億9100万円と苦戦した。タッチアップによる紹介行動の制限などコロナの影響がぬぐい切れていないことに加え、新製品やプロモーションが苦戦した。こうしたこともあり、従来のスターターキットを見直し、導入しやすい内容と価格のものを追加。新規窓口増加につながり7~9月は前年同期比で増収に転じている。

22年12月期通期業績は、売上高439億円、営業利益75億5000万円、経常利益3.5%増の74億1000万円、親会社株主に帰属す当期純利益2.4%増の52億3000万円と前回予想を据え置いた。