生産、研究、商品開発が密に連携する体制づくり

――2023年12月期第3四半期は増収増益。特に日本事業は前年同期比17.8%の増収、欧米事業は同31.1%の増収と絶好調です。この状況をどのように見ていますか。

小林 日本事業は、米国メジャーリーガーの大谷翔平選手とフィギュアスケーターの羽生結弦選手を起用した広告を元日に大々的に打ち出し、23年が幕を開けました。化粧品専門店と百貨店ではハイプレステージブランド「コスメデコルテ」、メイクアップブランド「アディクション」「ジルスチュアート」などの売り上げが大幅に増え、ドラッグストアなどのマス市場でもスキンケアブランド「ONE BY KOSÉ」、メイクアップブランド「ヴィセ」「ファシオ」などが伸長。いずれのブランドも期待通りの成果を出しています。一方、米国発のメイクアップブランド「タルト」は、北米と欧州において取扱店舗数を拡大。右肩上がりに業績を伸ばしており、依然として成長の余地は大きい。ただ、アジア事業だけは同23.4%の大幅減収と振るいませんでした。23年8月に起こった、いわゆる処理水問題が逆風になったのは事実ですが、それ以外にもトラベルリテール事業は、一時的な中国人需要や投機的な動きの反動に苦しみました。代理購買の規制強化、中国経済の減退とともに生活者の財布の紐は固くなり、免税店の仕入れ抑制は続いている。中華圏だけではなく、欧州免税店へのブランド展開が遅れたことを反省しつつ、中国人需要に過度に依存しない体制づくりを急ピッチで進めているところです。

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