明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、佳き新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中はコーセーならびにグループ各社に対しまして格別のご厚情を賜り心よりお礼申し上げます。
三年間にわたったコロナ禍もようやく鎮静化し、エネルギーや原材料価格の高騰など様々なリスクはありますが、化粧品に対する需要は復調傾向が顕著になっています。コーセーにおきましても、昨年度は比較的好調な業績をあげることができました。これも、ひとえに皆さまの温かいご支援のおかげであると心より感謝申し上げます。
昨年も触れさせていただきましたが、我々はお客さまづくりのキーワードとしてグローバル、ジェンダー、ジェネレーションの頭文字をとった「3G」を掲げています。
一つ目はグローバル。世界の多くの地域や様々な人種の人々を対象としたモノづくりやサービスの提供を進めています。海外戦略はもちろん、日本国内においてもインバウンド需要の復活と進化が期待できる今後はグローバルな視点がますます重要になるでしょう。
二つ目はジェンダー。これまでの化粧品のお客さまは女性という先入観を捨て、事業展開に反映しております。特にコミュニケーションにおいては、大谷翔平選手や羽生結弦選手、高橋藍選手の起用などによりジェンダーの壁を越えたお客さまづくりを強化していますが、大きな手応えを感じております。
三つ目はジェネレーション。当社は長年に亘り幼少期からのスキンケアの有用性に関する研究を続けており、それに加えて昨年より全国各地で中高校生への紫外線対策講座を開催し、スポーツ時のUVケアの重要性などの啓発活動に取り組んでいます。キッザニア東京に出展しているブースもお陰様で男女を問わない人気パビリオンとして連日大盛況と聞いています。また、化粧品によるQOL向上の研究や、年齢にとらわれることなくあらゆる人々の人生に寄り添うことを通じて、誰もが自分らしく生き生きと輝ける社会の実現に力を尽くしたいと考えています。
創業者・小林孝三郎は「化粧品には世の中を明るくする大切な使命がある」という信念を持っていました。SDGs時代を迎え、「誰ひとり取り残さない」という考えのもと、企業にも本業を通じた社会課題の解決が求められる中において、まだまだ美容や化粧品が出来ることはたくさんあるはずです。
肌だけでなく心もケアし、お客さまの生涯に寄り添うことができるという化粧品の強みを活かし、不透明な世の中だからこそ、世界中の人々の心を豊かにすることを目指し、「KOSÉ Beauty Partnership」をより強固なものにしながら、ステークホルダーの皆さまと一緒に取り組んでいきたいと考えています。
今後とも倍旧のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆さまのますますのご多幸とご繁栄を心からお祈り申し上げます。
小林一俊(コーセー 代表取締役社長)