明けましておめでとうございます。化粧品業界関係の皆さまにおかれましては、佳き新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中はコーセー、並びにグループ各社に対しまして格別のご高配を賜り心よりお礼申し上げます。

猛威を振るってきたコロナ禍も、ワクチンや感染予防対策等の効果もあって、ようやくアフターコロナに期待が持てるようになってきました。需要も回復しつつありますが、これも皆さまの日々のご努力とご尽力のお陰であると存じ、心より感謝申し上げます。

コーセーはこれまでも、「今までの延長線上にない新たな価値の創造」をテーマにモノづくりと、新たなお客さまとの関係づくりに取り組んでまいりました。新たに開発した化粧品やサービスも皆さまから高い評価をいただいておりますし、コーセーを認めてくださるお客さまも着実に増えています。そして、今後のさらなるお客さまづくりの拡大領域として、これまでのグローバル(Global)に、ジェンダー(Gender)、ジェネレーション(Generation)の頭文字を加えた『3G』をキーワードとして掲げ、性別や年齢にとらわれず、あらゆる人に「美」を提供し、それぞれの人生に寄り添うことで、誰もが自分らしく輝ける社会の実現に貢献していきたいと考えています。

「グローバル」については、すでに多様な人種や地域に対象を広げ、モノづくりやサービスの提供に取り組んでいます。さらに「ジェンダー」には、これまでの「お客さまは女性」という先入観から脱し、性差を超えて、より多様な価値観に応えていく必要があるという考えを込め、我々からも積極的な提案や発信を行うことで、時代に合わせた新たな化粧文化を創造してまいります。そして「ジェネレーション」は、全ての年代をお客さまと捉え、生涯に亘って寄り添っていこうということです。現在、幼少期からのスキンケアやUVケアの習慣化に向けた商品開発や、その啓発活動および事業化を進めている他、キッザニア東京における子供たちの職業・社会体験の提供なども通じて、従来の「化粧品を使う年齢層」という固定概念に捉われない発想で、化粧品市場を進化させ拡大してまいります。

創業者の小林孝三郎は「製・販・需の共存共栄」という考えを非常に重視していました。化粧品をつくるメーカーやサプライヤー、商品やサービスを提供いただくお店、その化粧品を使うお客さまの、三者それぞれが幸せになるという理想を実現するために、化粧品の品質にこだわり、理想的な販売網を創るという信念を持ってコーセーを創業しました。この信念は現在も脈々と受け継がれておりますが、私はお客さま、ご販売店、サプライヤーの皆さまに加えて、投資家、協業先・同業他社、行政・環境・地域社会など、コーセーを取り巻く様々なパートナーが、お互いを高め合う関係づくりを目指すべきと考えており、これが、創業者の想いを時代の変化に合わせて進化させていくべき方向性だと信じております。そしてコーセーは、この「ビューティ パートナーシップ」を通じて、今後とも新しい価値を創造し提供し続けることで、明るい未来を築いていきたいと考えております。

今後とも一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆さまのますますのご多幸とご繁栄を心からお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

小林一俊(コーセー 代表取締役社長)