成長の大前提は尖ったコンセプトと製品
今世紀に入り、最も世界のあり方を変えたテクノロジーは、インターネットを中核とするIT(情報技術)であろう。インターネットは周知の通り、核保有国同士の戦争という最悪の局面で、仮に通信が切断しても、核ミサイルの発射を確実に担保するために開発された技術だ。これが民間に転用されたことで、さまざまな分野で新しい動きが起こる。平和産業の代表である化粧品業界においても、ダイレクトマーケティングの波をさらに加速させ、通販化粧品というカテゴリーをさらに伸長させた。この新しい競争の中で、製品、マーケティングともさまざまな動きがあり、それはなお続いている。いくつかのファクターを切り口に、通販化粧品市場の来し方と行く末を見ていく。
化粧品をダイレクトマーケティングで展開する手法が通販化粧品。1980年代のファンケルやDHC、オルビスの登場がスタートで、40年強の歴史がある。90年代後半以降、インターネットの普及によりECが登場して、瞬く間に化粧品通販の主力チャネルに伸長。マーケットも新興から制度品メーカー、ブランドビジネスである外資も巻き込み、大きく膨れ上がった。現在は6000億円を超える規模と推計される。展開する企業も100億円超レベルで15社程度、末端まで入れると数百社による激しい競争環境だ。
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