一般社団法人ペットフード協会は、2023年全国犬猫飼育実態調査の結果を発表。12月22日には記者発表会を開催した。

23年調査結果のトピックスは四つ。一つは、犬の飼育頭数と飼育意向の減少に歯止めがかからないことだ。23年の犬の飼育頭数は約684万頭。2017年から続く減少トレンドで、前年から飼育世帯率が0.6ポイント減少し、20万頭減少している。新規飼育率も同0.3ポイント減。また、現在飼っていないが今後飼うことを検討しているという新規飼育意向は7.3%と、こちらは2019年から減少傾向が続いている。

二つめは、生体入手価格の上昇だ。犬、猫ともに有償の購入率が増加し、特にペットショップからの入手が増えている。生体入手価格の平均も上がっていることで、生体入手時の予算と実際の価格の乖離が進んでいる。

三つめは特に犬において”子どものために”ペットを飼い始める人が増加したこと。特に犬の新規飼育者はファミリー層が多く、理由を調査したところ、子どもの遊び相手目的で飼育し始める人が増加している。また、実際に犬を飼うことで子供との交流や情緒面での好影響がみられたという。

四つめは、シニア向け飼育支援サービスの浸透に伸びしろがあること。シニア層のペットの飼育は情緒面の良化、運動量の増加といった良い影響がある。また、23年10月に、東京都健康長寿医療センターは、このような犬の飼育を通じた運動習慣や社会とのつながりによって、認知症発症リスクを40%低減したと発表するなど、体験ベースではなく疫学的な知見となりつつある。

また、ペットフード協会の調査によれば、2022年度のペットフード産業のメーカー出荷総額は前年比110.1%の3875億4600万円で、7年連続の増加。商品構成の開園に加え、特に22年度は原材料等の値上がりを受けた原価高騰による価格上昇の影響により、高い成長率になったと推測される。