東大との共同研究 最新知見で商品を開発
研究開発への執着心は尋常ではない。2003年誕生の敏感肌スキンケアブランド「プロメディアル」(ロート製薬)は、深刻な肌トラブルに悩む人がターゲット。商品開発ではロート製薬が持つ医薬品開発の知見をフル活用し、3年もかけて皮膚科学に基づく商品をつくった。23年8月のリニューアルでは、東京大学と約10年間の共同研究で発見したアトピー性皮膚炎に関係する最新知見を応用。創薬レベルの技術を化粧品に転用していることは、重度の肌悩みを持つ生活者から信頼を得ている。ブランド認知に課題があるとはいえ、一度使うと手放せない商品力は高確率でリピーターを獲得。販路限定のブランド育成策も手伝って取引先の支持も厚い。
「プロメディアル」は、美肌菌(表皮ブドウ球菌)に着目して生まれたブランドだ。一般的に敏感肌などのトラブル肌は悪玉菌が多くなっている。菌そのものをコントロールし、肌の上で美肌菌の割合を増やす研究を進めた結果、美肌菌の肌表面への付着を促すことで相対的に悪玉菌の割合が減ることを突き止めた。近年は肌の常在菌の認知が広がっているが、「03年当時、表皮の細菌に関する研究は世界を見渡してもほとんど行われていなかった」とロート製薬プレステージスキンケア事業部の村松鮎美マネージャーは振り返る。
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