ファイントゥデイは、2023年7月より東京都江東区豊洲にパーソナルケア製品の研究開発を担う都市型ラボ「ファイントゥデイ ビューティーイノベーションセンター(BIC)」を開所。7月27日には、見学会を実施した。

BICは、研究開発・生産・販売が一体となったビジネスシステムの構築を目指して設立されたもの。21年7月に資生堂およびエフティ資生堂から、パーソナル事業を引き継ぎ、ファイントゥデイ資生堂として事業を開始。23年1月に、ファイントゥデイへと商号を変更し、同年4月には資生堂が久喜工場で営んできたパーソナルケア製品などの生産事業を取得したファイントゥデイインダストリーズ(FTI)が事業を開始。続く今回のBICの設立によって、ファイントゥデイが目指す研究開発から生産、販売、マーケティングまでを備えたシステムへと進化した。

見学会で登壇したサステナビリティ本部企業広報グループ谷口夏美グループマネージャーは、「これにより全体の最適化ができるビジネスシステムを構築でき、より迅速、機動的に応えていく体制が整いました」と語った。

BICは、「ここに集まる人が、いつも”ファイントゥデイ”であるために。」をコンセプトに、社名やパーパスに込めた「世界中の誰もが毎日を美しく心豊かに過ごせるようにすること」との想いを、研究開発面から体現する場所として設計。専有面積は約1100平方メートルで、研究所としてはコンパクトだが、本社・生産拠点のFTIからアクセスの良い「都市型」で、技術開発、生産、販売、ブランドマーケティングの各機能間の連携を強化。生活者を招いてのモニター調査などを行う設備も備え、都市型のアクセスの良さを発揮できる環境を整えた。

また、一般的には分けて設計されるオフィスゾーンとラボゾーンをシームレスに繋ぎ、見通しの良い一体的な空間を実現。ウェブ会議や集中して仕事を行いたいときのためにいくつかの個室、半個室を用意した他は、研究員同士活発なコミュニケーションが行えるフリーアドレスのオープンスペースとなっている。

また、研究員自身そして生活者が「毎日を美しく心豊かに過ごす」ために、レイアウト随所に研究員自身の声を反映。より過ごしやすい空間を実現した。内装には日本で古来より親しまれてきた天然木や漆喰などの素材を用い、シンプルでありながら美しいデザインに仕上げ、資生堂時代から長年培ってきた美意識を表現。研究員がくつろげるよう、窓際には日本家屋の伝統的な縁側を模したソファ席を設け、多様な会話から生まれる自由な発想を促す。こうした環境から、同社が大切にしている日本的な素の美しさを体現した日用美品を世界に届ける考えだ。

見学会では、ファイントゥデイ商品を使ったデモンストレーションとして、泡立ちの実験、およびシャンプー時の環境を再現した機器による指通りの良さなどを測定する実験を実施。生活者により良いパーソナルケアアイテムを届けるためたゆまぬ努力を続けるファイントゥデイの在り方が垣間見える見学会となった。

月刊『国際商業』2023年10月号掲載