マンダムは、主力ブランド「ギャツビー」で新たな一手を打つ。2021年10月7日、メイク、スキンケア、スタイリングの3カテゴリーから成る新ライン「gatsby THE DESIGNER(ギャツビー ザ デザイナー)」を発売した。ターゲットは、積極的にメンズコスメの情報収集やトライアルする10~20代の男性。既存商品では幅広い顧客にアプローチしていたのに対し、新ラインは、コスメへの関心が強い男性に絞り込む。マスだけでなく、よりパーソナル対応の側面が強くなるのは、ギャツビーが価値観の多様化に応える懐の深いメンズブランドに進化していくことを示している。

ギャツビーの新ライン「gatsby THE DESIGNER(ギャツビー ザ デザイナー)」

また、ギャツビーは、新ライン発売でメンズメイク市場に本格参入することになる。1978年のブランド誕生から日本のメンズコスメ市場をけん引してきたギャツビーにとって大きな節目である。同ラインの販路は、自社ECとロフト(ロフトネットストア含む)のみ。ギャツビーがバラエティチャネルに特化するのは、初めての試みである。「総合化粧品ではなく唯一無二の強みを持った化粧品会社」を目指すマンダムは、一段とチャレンジ精神に火がついたようだ。

イメージキャラクターを務める佐藤健

マンダムは、新ライン発売に先立ち、10月1日にオンライン発表会を開催した。冒頭、広報部の木村彩子主事は、新ライン開発の経緯について「ギャツビー ザ デザイナーには、マンダムがこれまで蓄積してきた技術と知見が生かされています。近年、10~20代の男性の“カッコイイ”の定義や自己表現の幅が広がっている中、“なりたい像”も多様化しており、そうした思いをかなえるため、新コスメラインを開発しました」と説明。その上で商品開発を担当したブランドマーケティング部の森健太グループリーダーはギャツビー ザ デザイナーに込めた想いを次のように話した。

「私は、中学3年生の頃に初めてスタイリング剤を使ったとき、新しい自分になったようでドキドキ、ワクワクしたことを覚えています。『ギャツビー ザ デザイナー』を通じ、そうした喜びを感じていただきたい。ターゲット層である10~20代の男性の多くはメンズメイクに抵抗はないが、『ここまでやったら、やり過ぎ』と自分に制限をかけ、楽しめてない方もいる。『ギャツビー ザ デザイナー』は、他人から見る“カッコイイ”ではなく、自分がなりたい“カッコイイ”をかなえるためのコスメラインです。人の目を気にして義務感で使うのではなく、楽しむためのコスメラインであり、自分の可能性を広げるものだと思います」

ギャツビー ザ デザイナーの開発で着目したのは、スタイリストの影響力が高まっていることだ。昨今の若者にとって、スタイリストはただ髪をセットアップしてくれるだけの存在ではない。髪は男性のお洒落にとって最も重要な部位の一つであり、若者の多くが自分の好きなファッションを含めて髪型を考えている。自分の趣向をトータルで表現してくれるスタイリストは、身近な憧れの存在になっている。SNSでスタイリストの個人アカウントを見て、その人のライフスタイルに影響を受ける若者も増えている。

そこでギャツビー ザ デザイナーは、若者から大人気の3人のスタイリスト、すなわち宇野文彦氏(NAVY)、Ryutaro氏(OOO YY)、齋藤正太氏(syn)と共同開発した。メイクアップは斎藤氏、スキンケアはRyutaro氏が担当。スタイリングは宇野氏、斎藤氏、Ryutaro氏の3人が個性を競った。

また、イメージキャラクターには、俳優の佐藤健を起用。3人のスタイリストは、佐藤健を起用したキービジュアルで、個々の世界観を存分に表現している。具体的には、宇野氏はアクティブなイメージのストリートカジュアル系、Ryutaro氏は落ち着いた雰囲気のストリートモード系、斎藤氏はアンニュイな色気を感じる韓流系を佐藤をモデルに表現した。発売同日に公開したブランドサイト(http://gatsby-the-designer.jp/)に加え、10月8日から11月21日まで全国のロフトで開催する「ロフト コスメフェスティバル for MEN 2021AW」にて佐藤を起用したキービジュアルを店頭展開する。

キービジュアルが示すのは、ギャツビー ザ デザイナーが単品ではなく、3カテゴリートータルで使うことで、多様な自己表現がかなうという点だ。メイクアップ、スキンケア、スタイリングとさまざまに組み合わせることで、自由に楽しみながら“なりたい自分”へ近づいていく。色ムラや凹凸のない滑らかな肌に導くベースメイク、自然な陰影でパーツを強調するポイントメイク、なりたい自分のベースとなる肌を作るスキンケア、扱いにくい髪も自由自在に表現できるスタイリング剤の数々とラインアップを充実させたのは、そのためだ。森グループリーダーは「3人のトップスタイリストとマンダムがこれまで蓄積してきた知見により、ターゲット男性の感性を刺激する新ラインを開発できたと思います」と商品力に自信を示す。

「ギャツビー ザ デザイナー」のラインアップ(全14品)は、以下の通りだ。

メイクアップ(5品)

  1. カバー&ナチュラル仕上げ、スキンケア効果もあるBBクリーム「ギャツビー ザ デザイナー ナチュラルBBクリーム」(2色・各30グラム・1760円)
  2. 肌悩みを徹底カバーする2in1仕様のコンシーラー「同 デュアルカバーコンシーラー 」(1980円)
  3. 自然に掘りの深い顔立ちにみせるアイライナー&ノーズシャドウ「同 デュアル3Dマーカー 」(1980円)
  4. 自然でスタイリッシュな眉に整える2in1仕様のアイブロウ「同 デュアルアイブロウ」(2色・1980円)
  5. 唇や目元で印象をアレンジするリップ&アイカラー「同 リップ&アイカラー リングスティック」(2色・1760円)

スキンケア(3品)

  1. 汚れをすっきり落とし、透明感のある肌に導くミルクタイプの洗顔料「同 ブライトアップクレンジングウォッシュ」(135ミリリットル・1430円)
  2. 角層深くまで浸透し、うるおい満ちる透明肌へ導くオールインワンローション「同 ブライトアップオールインワンローション」(2種・各180ミリリットル・1760円)
  3. 週1回の集中ケアで、もっちりした透明肌へ導くシートマスク「同 ブライトアップバイタルマスク」(5枚・1760円)

スタイリング(6品)

  1. ドライな質感でラフな束感と立体感を崩さずホールドできるクレイタイプのヘアワックス「同 エクストリームクレイ」(80グラム・1650円)
  2. 髪なじみがよく、シャープな束感もハードな立ち上げも自在に作れるヘアワックス「同 ハードワックス」(80グラム・1650円)
  3. グリースのように自在にアレンジ、ジェルのように毛束をホールドするジェルグリース「同 ジェルグリース」(90グラム・1650円)
  4. 軽い仕上がりで、前髪やトップのボリューム感をしっかりキープするヘアワックス「同 エアロアップワックス」(80グラム・1650円)
  5. 指通りなめらかに、毛流れやナチュラルな毛先の動きが作れるヘアワックス「同 モードワックス」(80グラム・1650円)
  6. ヘアケアにもスタイリングベースにも使えるヘアオイル「同 ケア&ベースオイル」(60ミリリットル・1650円)

月刊『国際商業』2021年12月号掲載