マンダムが技術力の強さを前面に押し出し始めた。それを体現しているのが、8月26日に発売する新スタイリングシリーズ「ギャツビー インサイドロックシリーズ」と9月26日に発売するスキンケアシリーズ「∴M4(エムフォー)」だ。どちらも長い年月をかけて行われた研究成果を中心技術として採用した新商品で、これまで消費者のウォンツ、ニーズをベースにした新商品開発が多かった同社において、マンダムの新たな姿勢を示す商品といえる。

ギャツビー インサイドロックシリーズ

インサイドロックシリーズに搭載している技術は大きく三つ。主となるのが、シリーズ名にも採用されている新たなスタイリング技術「インサイドロック」だ。従来のような外側からのスタイリングではなく、毛髪内側に成分を浸透させるメカニズムを採用。スタイリング崩れの原因である湿気に強いイオン結合を毛髪内に作る「α-ケトグルタル酸」の作用によって、自然な見た目・手触りでスタイルをキープすることに成功した。

技術開発センターヘアケア製品開発室の占部駿主事

7月10日に開催された新製品発表会では、マネキンでの実証実験の他、新技術採用のスタイリング剤の実使用例としてマラソンやサウナ後でも髪型が崩れない写真を紹介し、そのキープ力をアピールした。インサイドロック技術の開発を行った技術開発センターヘアケア製品開発室の占部駿主事は、「苦節11年、ようやく今日こうして研究成果を形にすることができました」と開発の苦労を振り返る。毛髪の中にスタイリング成分を毛髪内に入れられればさまざまな可能性が出てくるのでは、という発想から生まれ、これまで多くの障壁を乗り越えてようやく実現に至ったインサイドロック技術。加えて、ナチュラルさを損なわないための「ツヤ消し技術」、スタイリング剤の長年の命題ともいえる「洗い落ち技術」と、これまでのスタイリングの悩みにアプローチした新技術を採用しており、革新的なスタイリング剤として注目を集めそうだ。

また、マンダムは、消費者意識の変化として「普通」や「ナチュラル」を目指した、シンプルな服装で前髪を下ろすという“誰からも嫌われないスタイル”が増加傾向にあり、それが若年層のスタイリング剤使用率低下につながっていると分析。さらに近年はSNSの広がりによって複数のリアルコミュニティに属する機会が増え、「普通」「ナチュラル」をベースにしながらも、コミュニティに合わせてスタイルを変えたいというウォンツが存在していると考察しており、「インサイドロックシリーズ」はこうした消費者変化にマッチしたスタイリングを実現する商材として期待される。ラインアップは、ワックス剤型の「ギャツビー インサイドロック モーションコントロール」(75グラム・900円)と「同 ナチュラルリフト」(同)、セラムタイプの「同 エアリーモード」(同)と「同 スマートフォルム」(同)、クセ毛を伸ばしてキープする「同 ストレートウォーター」(200ミリリットル・850円)の5品。目指す仕上がりによって使い分けできる、豊富な商品展開だ。

■スキンケアの通販ブランドに挑む

一方、40歳前後の女性をターゲットにした新スキンケアシリーズ「エムフォー」は、肌の感覚センサーに着目して開発された。マンダムの調査によると、40歳前後の女性は夕方になると身体はまだ活力のある状態であっても、肌が“お疲れ印象”となり、平均0.8歳、最大で3歳も見た目の印象が変わるという。その要因はメイク崩れだけでなく、日々の肌ストレスの蓄積による毛穴の目立ちや肌のくすみなど、微弱な炎症反応にも関係するとされており、エムフォーはこれらの原因となる乾燥や紫外線などのストレスから守りながら、健やかな肌を育むスキンケアアイテムだ。

∴M4シリーズ

マンダムは、5月に国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所との共同研究で細胞の感覚センサーであるTRPチャネルの一つ「TRPM4」と皮膚の免疫反応との関係を解明、また温泉成分などで知られるアルムKがTRPM4の活性化に役立つことを発表している。エムフォーにはシリーズ共通成分としてこれらの研究知見を生かした美容成分「エムフォーコンプレックス」を配合。アルムKを保湿剤の成分として採用するにあたり、ポリマーなどにも工夫を凝らし、安定した製剤化と心地の良い使用感を実現している。

多忙な女性にシンプルなケアを提案するため、ラインアップは朝用洗顔「エムフォー スムースウォッシュミルク」(120グラム・2000円)、夜用クレンジング「同 モイストクレンジングリキッド」(150ミリリットル・2800円)、化粧水「同 モイストアップブースターローション」(120ミリリットル・4200円)、「同 センサラクティブセラム」(50グラム・5500円)、そしてスペシャルケアアイテム「同 スポットグローイングクリーム」(30グラム・5200円)の全5品。ターゲット女性が購入しやすい価格設定で、販売チャネルはECサイト「HIBInoBI」。感覚センサーの魅力を十分に伝えるチャネルとして、まずは自社ECでのみに発売を限定する考えだ。今後、コミュニケーションツールとしてコミックスとのタイアップ企画なども計画しており、基礎研究によって得られた知見の発信とともに、さまざまな新施策に取り組むチャレンジングなスキンケアシリーズとなる。