「日本、海外ともに、期初計画の達成に向けて尽力する」。マンダムの亀田泰明取締役専務執行役員は、10月29日に行った決算説明会で、このように発言した。例年よりも梅雨明けが約1カ月遅れるなど、今夏の天候不順がマンダムの業績を直撃。さらに中国政府が1月1日に施行したEC法の影響で、インバウンド売上高が減少。その結果、20年3月期第2四半期決算は増収減益となった。

連結売上高は、前年同期比1.3%増の444億3900万円と増収は維持したものの、計画比では97.5%。営業利益は、同30.2%減の46億2800万円、経常利益が同28.7%減の51億700万円、純利益は32.4%減の32億7600万円である。減益は、売上高が計画を下回るなか、下期だけでなく、来期以降の成長を見据え、販管費などの費用を当初の予定通り投下したことが影響した。

地域別にみると、日本はギャツビーボディーシートなどの夏シーズン品が低迷。梅雨明けの遅れ、冷夏だったのに加え、昨年は酷暑だったことが前年比に大きく影響した。さらに代購業者によるビフェスタのアイメイクリムーバー、バリアリペアのフェイスマスクの爆買いが落ち着き、インバウンド売上高が減少。前期は第1四半期が15億円、第2四半期が9億円。今期はそれぞれ3億円、6億円である。期初計画は月2億5000万円で、第3四半期は第1四半期よりも改善しており、亀田専務は「底打ちした」と説明。前期の第3四半期と第4四半期は月平均1億円だったため、インバウンド売上高の期初予想は「挽回できる」(亀田専務)とのことだ。

一方、インドネシアと海外その他は好調に推移。インドネシアのPIXYは、リブランディングが功を奏し、同比2.8%の増収をけん引した。その他海外についても、ビフェスタ、バリアリペア、ギャツビーなどが好調で、中国、台湾、香港、タイ、ベトナム、マレーシアが現地通貨ベースで二桁と高い成長を見せた。

「下期の売上高は、国内外における新商品と販促施策の追加、海外その他(インドネシア以外)でビフェスタの女性クレンジング、洗顔カテゴリーの拡大などで巻き返す」と亀田専務は力強く話した。例えば、日本では19年秋冬新商品として、新しいスタイリング技術を使ったギャツビー「インサイドロックシリーズ」を発売。現代若者のウォンツを捉えた新たな価値を提案し、スタイリング市場の活性化を促す。また、女性事業では、好調なルシードエルから3商品を追加発売。高い成長を続けるヘアオイル市場において、より多様な髪の悩み、ニーズに対応し、市場シェアの拡大を図る。