資生堂は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、人々の肌だけではなく、自然環境をも健やかに美しく維持する、人にも地球にも優しい化粧品開発に取り組んでいる。

この度資生堂は、藻類基点のサステナブルな新産業を構築するプロジェクト「MATSURI」を主導するちとせグループに10億円を出資し、研究開発を中心とした戦略協業契約を締結することを決定した。藻類を利用した化粧品原料および化粧品容器にかかる原料の開発および量産化、さらには将来的な食品産業に活用できる原料開発などを視野に、共に循環型のモノづくりを加速していく。

藻類は太陽の力を元に、二酸化炭素からタンパク質・脂質・炭水化物などの多様な有機物を効率的に生成。また、砂漠や荒地のような農業利用が難しい土地でも生産可能、かつ陸上植物と比較して圧倒的なバイオマス生産効率を誇ることから、有限な化石資源に依存しない新たな資源となる可能性を秘めている。資生堂はこれら「藻」の持つポテンシャルを最大化し、資源を枯渇させることのない、地球のシステムと一体となった循環型モデルをちとせグループと共に築き、グローバル化粧品市場を刷新するサステナブルな価値創造をリードしていく。

ちとせグループは、世界のバイオエコノミーをリードするバイオ企業群だ。千年先まで人類が豊かに暮らせる環境を残すべく国や多くの企業と協力し、経済合理性を成立させながら技術を社会に展開している。

「MATSURI」とは、太陽光を唯一のエネルギー源とした藻類の大規模生産と事業化に強みを持つちとせグループが主体となり、藻類基点のサステナブルな新産業を構築するプロジェクト。さまざまな立場や業種の他機関と協働し、人々の生活を支える藻類製品を社会に普及させるべく多角的な用途研究開発と藻類生産の大規模化を同時に進めている。
藻類生産の大規模化においては、2018年8月に0.1ヘクタールの設備、2023年4月には5ヘクタールの設備CHITOSE Carbon Capture Central (C4)を竣工させ、2030年には2000ヘクタール規模に拡大予定だ。目下の目標としては2027年に100ヘクタールへの生産規模拡大を計画。なお、本計画に伴う、研究開発用途として今年3月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金に総額500億円規模(予定)の事業として採択された。

資生堂によるちとせグループへの出資の具体的な方法は、同グループを統括するCHITOSE BIO EVOLUTION PTE. LTD.,(所在地:シンガポール)の株式を取得する形とする。