「今度飼う犬は生肉とできる限りの自然療法で行く」……獣医以外で取得しうる全資格を持つ友人が、人生3匹目の愛犬を迎えるにあたって決めた方針だ。平均的愛犬家の筆者も、実はほぼ同時期に人生2匹目の犬を飼い始めた。約15年前、最初の犬を飼い始めた時から、ブリーダーや獣医選び、しつけやフード類まで、この友人にアドバイスを仰いできたが、生肉・自然療法というのは筆者にはハードルが高い。だが、犬を取り巻く考え方や市場動向は、すっかり様変わりしているらしい。トレンドに敏感な彼女は言う。「犬はそもそも肉食。ドライフードは腹持ちや保存をよくするための雑穀や添加物を多く含む。生肉フードは冷凍で指定時間に宅配されるから便利。ノミやダニ除け、病気予防もハーブやサプリで対応する」。
欧州に住んだり、旅をしたことがある人は気づくだろうが、欧州ではペット(特に犬猫)は文字通り家族の、そして社会の一員として扱われる。筆者の住むベルギーは、EU加盟国の中では平均的にペットフレンドリーな国とされるが、公共交通機関でも、飲食店でも、ペット(多くは犬)が飼い主とともにいるのは当たり前。さすがに大手スーパーまでは同行できないが、病院でさえも、愛犬や愛猫との面会が許されるところもあり、薬局やベーカリーなどではほぼOK。盲導犬はもちろんのこと、さまざまな介助犬たちも見かける。バッグに入るような超小型犬ばかりでなく、シェパードやレトリバーのような大型犬も、社会の一員として普通に共生しているところが欧州らしいと言えるだろう。
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