「アルテルナンスを利用してロレアルのランコムで働いてるの!」。パリに住む友人の娘マリー・ローがうれしそうに知らせてくれた。彼女はパリで修士課程に在籍中。昨今、欧州では、企業研修が組み込まれた教育課程は珍しくないので、直感的にそういうものなのだろうと思った。だが、よく聞いてみると、ちゃんと給与ももらっているし、うまくいけば卒業と同時に採用されるチャンスも高いのだという。どうやら、ロレアルグループでは、リクルート戦略にこの制度を活用しているらしい。彼女を通して、仏政府の若者の職業訓練雇用政策とロレアルによる制度活用の様子を探ってみた。
エマニュエル・マクロン大統領が初めて当選した2017年頃、フランスをはじめ、欧州全般では、若者の就職難が大きな社会問題となっていた。マクロン氏は若年層の雇用対策を公約の一つに掲げ、熱い期待を受けて初当選を果たした。就任後間もなく着手したのが職業訓練制度の改革だった。
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