アイビー化粧品は5月10日、繰延税金資産の取崩および2023年3月期業績予想の修正を公表した。同社が今期、業績予想を修正するのは3回目となる。

売上高は1億5800万円減の29億4200万円に減額する一方で、営業利益は8200万円増の1800万円の欠損、経常利益は8900万円増の2100万円の欠損と赤字幅が縮小するが、当期純利益は2億3400万円マイナスで赤字額は3億8400万円に拡大する。

修正の理由として、新型コロナウイルス感染症の影響が緩やかになる一方で、同社が行っている各種研修が従前のように開催するまでには至らず、新規販売員の増設、新規顧客の獲得は不調に推移したことに加え、売り上げの中核を構成しているスキンケアにおいても、浸透美活液「レッドパワー セラム」が、目標3万セットに対し、1万8114セットの受注にとどまったこと、「ホワイト パワー セラム」も、目標3万セットに対し、2万2341セットの受注と未達であったことをあげている。また、例年9月と3月は、比較的売り上げの多い月だが、受注が振るわず、それ以外のレギュラースキンケアは大不調で推移し、スキンケア全体の売上高は前年度比19.9%減の20億4700万円となったことも売り上げのブレーキになった。

また、直近数年間で経営計画と実績の乖離が大きいことから、将来における課税所得見通しを極めて保守的に見積り、繰延税金資産を全額取り崩した。そのため、当期純利益は下方修正となる。

同社はこの3月にも役員報酬減額を発表しており、経営の舵取りに注目が集まる。