トレンダーズが運営する美容特化型イノベーションファーム「ampule(アンプル)」は、3月7日に「Z世代の『パケ買いの心理』を知る~ブランディングにおけるデザインの力~」をテーマにウェビナーを開催した。

同ウェビナーでは、アンプルDiv.プランナーの南殷善(ナム・ウンソン)氏とともに、アンプルインターン生である現役大学生の3人をスピーカーとし、時代とともに変化する若年層の「パケ買い」心理、およびその購買行動を明らかにした。

その中で浮き彫りになったのは、Z世代にとって、化粧品パッケージは「商品情報の伝達」から「世界観や考えを示すブランドコミュニケーション装置」となっていることだ。それに伴い、言葉の内容も変わっている。「パケ買い」とは、従来「パッケージを見て衝動的に購入を決める」ことのみを指していたが、現在の若年層の購買行動では、SNSまたは店頭で魅力的なパッケージを発見すると、その商品についてSNSで口コミを検索、その後購買に至ることもわかっており、商品やブランドと紐づくデザインになっているのかどうかがさらに重要になっている。

また、彼女たちのパッケージやキービジュアルなどのデザインにおいて重視するポイントは「シンプル」「ブランドのイメージが表現されている」「機能性が伝わる」など。これらの傾向およびさまざまなブランドの成功事例から南氏はパッケージデザインおよびマーケティング施策のまとめとして①情報量をそぎ落とす②パッケージはユーザーの購買行動の大きな要素の一つ③パッケージを通してブランド理解へ――の三つをあげ、ウェビナーを締めくくった。

なお、アンプルが発行する「ampule magazine」は、美容業界の課題や変革と向き合い、情報を発信することで美容業界の「知る」を変えるフリーマガジンで、2月27日に発行した「ampule magazine Vol. 6」のテーマは「『パッケージデザイン』を考える」。副題を「Beauty Packaging Innovation」として、日本や海外で進化を遂げる美容商品のパッケージの今に迫り、世界中の「最先端」なパッケージ素材を解説するほか、生産者や生活者のパッケージに関する生の声を取り上げたインタビューを紹介している。

ampule magazine Vol.6をはじめとしたバックナンバー:https://ampule.jp/backnumber/

月刊『国際商業』2023年05月号掲載