パーパスに共感する人財育成の拠点を作る
魚谷雅彦 渋澤(健)さんは、日本の近代経済社会の基礎を築いた渋沢栄一の玄孫(5代目の孫)にあたる方です。1983年にテキサス大学を卒業し、87年にUCLA大学大学院でMBAを取得。その後は、米国の投資銀行やヘッジファンドで活躍し、2001年に独立。そして07年に世代を超えて長期視点の投資を行うファンド「コモンズ株式会社」を立ち上げ、08年に「コモンズ投信株式会社」へと改名後、09年より投資先の一つに資生堂を選んでいただいています。また、21年には岸田(文雄)政権の「新しい資本主義実現会議」の有識者メンバーに任命されるなど多方面で活躍されています。世の中の常識を変え、思いのほか長引いているコロナ禍を、どのように捉えていらっしゃいますか。
渋澤健 あらゆる環境の変化には、スイッチのオン、オフの瞬間があると思います。私がコモンズ投信の長期投資ファンドを立ち上げた初期から資生堂に投資をしたのは、日本の美意識をアジアにアピールする力があり、成長が見込める企業だと考えたからです。伝統ある会社であるがゆえに、生真面目で少し物静かな経営をしていると感じていましたが、14年に魚谷さんが社長に就くと、状況は一変しましたね。アジアの需要を取り込みながら、一気に成長を加速させました。資生堂にとって、魚谷さんは新たなスイッチだったわけです。コロナも、われわれがそれまで当たり前だと思っていたことをガラッと変えました。これもスイッチの切り替えが起こったのだと思います。もちろん、短期的には厳しい状況になった企業はありますが、長い目で見れば、次のステージに進化するための転換点になる可能性が高いと思っています。
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