ポーラは4月から、一般社団法人Famiee(ファミー、東京都千代田区)が発行する、同性パートナーのための民間「パートナーシップ証明書」の利用を開始し、人事制度や福利厚生の適用時に必要な家族関係証明書として取り入れると発表した。

現在、全国のパートナーシップ制度を導入した自治体は全1753自治体中、156自治体に上る(2022年3月29日時点)。そうした中、証明書発行にはその市区町村の在住者であることが条件であったり、発行した市区町村から転居すると証明書が無効になるなど、さまざまな課題がある。

今回、ポーラが利用するFamieeの「パートナーシップ証明書」は、住んでいる場所に関わらず利用でき、申請から発行までオンライン(スマートフォンのアプリ)で完結するというもの。最大の特長は、従来のようにパートナーが二人で役所等に出向く必要がないため、第三者に自身のSOGI(性的指向・性自認)や関係が知られる心配がないという点だ。また、申請時に提出する個人情報に関しても、サーバー等には保存されないため安全に利用することができる。

ポーラは今年1月、社員それぞれのSOGIや家庭の事情に関わらず、公平に認められ、力が発揮できるようにすることを目的に、これまで法律上の配偶者・家族・親族を対象としていた人事制度や福利厚生の適用対象範囲を、事実婚の相手方、同性パートナーを含めた「実質上の家族・親族」まで広げる制度変更を実施。各制度や福利厚生は一部を除き、「パートナーシップ証明書」の有無に関わらず適用が可能、申請時には所属部署の上長への申告は不要、社内処理にのみ使用し個人情報は保護されている。

また、昨年6月より、社内の有志メンバーによる「LGBT+ALLY(アライ)コミュニティ」が発足し、活動をしている。コミュニティのメンバーがLGBTを知り、理解するということを第一目的に、さまざまなテーマでメンバー同士の対話や他社のALLYコミュニティとの交流を重ねながら、互いの疑問や課題を共有し合い、思考を深めている。