資生堂は、新がん外見ケアに関する情報を共有するとともに資生堂ライフクオリティーメイクアップ専用ファンデーション「パーフェクトカバー」の新製品発表会を3月1日にオンラインで開催した。
イベントの冒頭あいさつした資生堂ダイバーシティ&インクルージョン戦略推進部の本多由紀部長は、資生堂ライフクオリティーメイクアップの歴史と進化について説明。1956年、戦禍によるやけどを負った被災者のための外見ケアの化粧品の開発を当時の厚生省から求められたことから誕生。資生堂では当時からこれを社会貢献と位置づけ、日本初の唯一の特殊化粧料として、男女兼用の「スポッツカバー」を開発。
1995年には通常のファンデーションでカバーしきれない濃いシミ、青あざ、赤あざをしっかりカバーし、自然に仕上げることができる部分用ファンデーションとして「パーフェクトカバー」を発売。光フィルター技術を用いることであざの色に補色関係にある色の光を当てることで濃いシミやあざの色をカバーすることを可能とした。
2006年には医療機関との連携で病院内で実施してきたセラピーメイクアップ活動を社会貢献活動として位置づけ、無償でのカウンセリング、施術を行う施設として、現在のライフクオリティービューティーセンターの前身となるソーシャルビューティーケアセンターを資生堂銀座ビル内に開設。09年に台湾、中国に、19年にシンガポールにも展開している。
その後は抗がん剤治療の副作用による外見の悩みに対応すべく商品と技術開発を重ね、15年にはがん患者のための外見ケアブックを発刊。17年に電通、キャンサーネットジャパンと共同でがんに罹患しても自分らしく生きられる社会を目指し「ラベンダーリング」活動を立ち上げ、資生堂のビューティーとクリエイティブの力を融合させたメイクアップ&フォトウィズスマイルズの企画を担当し、これまでに300人を超えるがん患者が自分らしく生きることに寄り添ってきた。
「資生堂ではD&Iを重要な戦略課題として位置づけ、これまでの事業活動や社会活動での知見と経験を活かしビューティービジネスを展開する基盤となる包摂性豊かな社会づくりに向け、社会課題解決をこれまで以上に強化していくとともに、化粧を通じて勇気や自信、笑顔を届け、自分らしくありたいという生活者の主に寄り添いながらともに歩いてきた。私たちの使命は66年前に始まったこの活動を世界中の必要としている多くの方にお届けすること。そのための努力をこれからも続けてまいります」(本多部長)
続いて登壇した資生堂ジャパン美容戦略部の横山加津子マネージャーが、資生堂ライフクオリティーメイクアップおよびがん外見ケアの概要を説明。資生堂が行った調査では、約50%の女性がんサバイバーが顔の肌状態に変化が現れ、顔色メイクや眉メイクによる悩み解決を求めていることが判明。現在働きながらがん治療を続ける患者も増えており、化粧で対応できる外見ケアの必要性はますます高くなってくると考え、化粧の力で誰もが自分らしく生きられる社会を目指す方針を明らかにした。
また150周年の節目に、日本地域では化粧の力の社会貢献活動を専門に行うソーシャルエリアパートナー34名、ソーシャルエリアリーダー8名を専門職として全国に配置。がん患者の外見ケアをサポートする体制を強化し、「化粧の力で役立てるよう取り組んでいく」(横山マネージャー)考えだ。
その後、聖路加国際病院腫瘍内科の北野敦子医幹が医療従事者の視点から外見ケアの重要性に関する講演のほか、資生堂ダイバーシティ&インクルージョン戦略推進部の村木香織氏、石田美紀氏によるライフクオリティーメイクアップ専用商品である新「パーフェクトカバー」の商品概要とデモンストレーションが行われた。
3月21日に発売する商品群は全4品10品種で、以下の通り。
部分用ファンデーション「パーフェクトカバーファンデーションMC」(7色、20グラム・3850円)および「同ファンデーションVC」(1色、18ミリリットル・3300円)、メイクアップパウダー「同ルースパウダー」(1色、10グラム・3850円)、メイク落とし「同クレンジングオイル」(1種、180ミリリットル・2530円)。