男性の存在が新たな需要を創出

日用品市場が拡大している。インテージSRI+(全国小売店パネル調査)データによると、2020年のオーラルケア、パーソナルケア、ハウスホールド、紙製品などの販売金額は、ドラッグストアが前年比11.9%増、ホームセンターが6.6%増と大きく伸びている。売れ筋は消毒液やハンドソープ、マスクなどのコロナ関連品だけではない。例えば、在宅時間の増加に伴う生活に便利な商品を求めるニーズの高まりである。定期的な換気で室内に入る虫が増え、吊り下げタイプを中心に殺虫剤が売れているのは、そのためだ。また、コロナ禍の不自由な生活が長引くことで、自分が満足する商品を楽しむ「プチ贅沢」への投資も増加。だから「日用品の売れ筋が変わり、明らかに単価がアップしている」(ドラッグストア)という。

コロナ禍で支持を一気に広げたのは、トイレットペーパーの長尺タイプだ。20年以上前から市場にあったものの、売れ始めたのはコロナの数年前から。居住スペースの有効活用を考え、家庭内在庫を減らしたいニーズが高まっていた。それでも売り場の主役は従来タイプで変わらなかったが、その状況はコロナで一変。買い物の効率化を求める生活者は、購入頻度が減る長尺タイプに手を伸ばしている。

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