赤箱の需要を引き出した牛乳石鹼の創意工夫

せっけんがブレイクする条件が整い始めている。合成界面活性剤を主成分とする合成洗剤と異なり、排水として海や川に流れ出たせっけんは、短期間で大部分が水と二酸化炭素に生分解される。せっけんカスも微生物や魚のエサとなる。これが環境に優しい洗浄剤と、せっけんがいわれるゆえんである。近年のSDGsへの関心の高まりはもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大は、生活者の衛生意識とともに、自然への畏怖を引き出した。自然との共存について考える人の増加は、せっけんへの関心を強くするきっかけになっても不思議はない。

とはいえ、せっけん市場は厳しい状況が続いている。富士経済によると、日用品の固形せっけん市場は2020年はコロナ特需によって108.7%(見込み値)と伸長したものの、中長期的なトレンドでは厳しい状況が続く。実際に21年は94.4%(見込み値)と、19年と同程度となっている。経済産業省生産動態統計調査によると、20年の浴用・固形の販売個数は前年比106%と好調だったが、19年までの減少トレンドを考えると継続的に成長するとは考えにくい。その背景には、生活者にせっけんのメリットが十分に浸透していないことにある。富士経済の鶴見静香氏は「せっけんを選ぶメリットを感じていない消費者が多いから、環境を意識した購買行動の中で選ばれていない」と指摘する。つまり、せっけんのメリットを生活者に伝えるマーケティング活動が弱かったことになる。とはいえ、外部環境が整ったことを考えれば、せっけん市場の漸減傾向は反転する可能性がある。

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