岩瀬コスファは、2021年9月に創業90周年を迎える。これまで同社が貢献してきた化粧品業界はコロナ禍で新たな局面を迎えているが、岩瀬由典社長はこうしたときだからこそ事業基盤強化を進め、より業界に貢献できる企業として新たな価値創造に挑むようだ。この節目に新中期経営計画も策定し、業界貢献を加速する仕組みの構築を急ぐ。また、日本化粧品原料協会連合会が主催するCITE JAPANも10回の節目を迎える。新中期経営計画に込めた思い、実行委員長として関わるCITE JAPANでの取り組みについて話を聞いた。
業種を問わず他社と手を携え難局を乗り切る
――2020年は化粧品業界全体が厳しい状況でした。
岩瀬 18年まではインバウンド需要が拡大し、右肩上がりの状況が続いていましたが、19年に入りインバウンドが踊り場を迎え、20年に新型コロナ禍でさらに厳しさが増しました。マスク着用の常態化でメイクの使用頻度が低下したことが業界全体にも影響を及ぼしています。一方でSDGsに配慮した原料製品などは引き合いも多く、今後の成長ドライバーになる可能性が大きいと感じています。組織としても、これまでなかなか変えられずにいた慣習の問題点が一気に顕在化し、改善が必要となっています。例えば、テレワーク、時差出勤、会議の簡略化など、皆がなんとなく改善の必要性を感じていたものの、なかなか実行に至らなかった部分が一気に変わりました。世間的には生産性向上、効率化ということがよく言われていますが、当社ではそういった部分を突き詰め過ぎずに、社員一人一人にそれぞれの視点で何ができるのか今一度考えてもらい、マネジメントには社員に寄り添い、言葉に耳を傾けて、一人一人のモチベーションを維持することに重心を置いてほしいと伝えました。
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