エステーは、グループ会社のエステーマイコールのカイロ等の温熱技術を生かし、出前や宅配時の食品をより温かい状態で届ける新たな温熱事業を展開するため、高い温度を持続して保温するフードデリバリー専用の温熱シート「HEAToGo(ヒートゥーゴー)」と「専用パッド」を、宅配用の保温バッグをメインとする保温製品全般を手掛ける大手のオルセンと共同開発した。現状において、カイロ技術による温熱シートを使用したテリバリー食品の保温は存在しておらず、エステーにとって新たな市場、分野への参入となる。

「HEAToGo」は事業者向けブランドであるエステーPROを通じて、「専用パッド」はオルセンが、フードデリバリー、出前サービス業に向けて10月下旬から順次、販売を開始する。これにより、成長著しい出前・宅配サービス業における品質の向上を支援し、飲食店、デリバリー利用者の満足度を高める狙いだ。初年度売上目標を2億円、今後、海外にも展開し、中期目標として10億円程度を目指す考えを示している。

フードデリバリー専用の温熱シート「HEAToGo」(上)と「専用パッド」(下)

フードデリバリー業は、年2桁成長を続けており、昨今の新型コロナウイルスの影響でさらに伸長している。同業界では、“早く届ける”“温かいまま届ける”といった命題があり、この内“温かいまま届ける”ことをエステーの温熱技術でもって、これまでの電気的な保温方法よりも、より簡単、便利、低コストで、しっかりと保温しながらデリバリーが可能になる。

「HEAToGo」を「専用パッド」で使用した疑似食品(85度)の温度変化試験では、配達時間の目安である20分後で75度、30分後でも70度以上を維持できる。持続時間は、およそ8~10時間(使用状況や環境により異なる)。「HEAToGo」のサイズは13センチメートル×9.5で、「専用パッド」に2個を装着し配達用バッグに入れるだけで、手間をかけずにデリバリーする食品をより温かい状態で届けることができる。

なお現在、宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜寅」等、宅配チェーンを全国に738店舗展開するライドオンエクスプレスホールディングス、カジュアルイタリアン・ピッツァデリバリーの「サルヴァトーレ クオモ」等を運営するワイズテーブルコーポレーション、国内大手チェーン店から個人経営の飲食店まで、幅広いラインナップの3万6000店舗が加盟するデリバリーアプリを運営するmenu(メニュー)などで採用が予定されている。