エステーは4月28日、2020年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比0.5%減の475億4500万円、営業利益は同18.9%増の33億7400万円、経常利益は同22.9%増の33億4400万円、純利益は25.4%増の22億6100万円と減収増益となった。売上高は計画に及ばなかったが、その他は計画以上の結果だった。

売上高をカテゴリー別に見ると、主力のエアケア(消臭芳香剤)210億7800万円(前期比1.3%増)と衣類ケア(防虫剤)92億6600万円(同1.7%増)が堅調だった。「消臭力 Premium Aroma」シリーズの商品ラインアップを拡充させ、市場活性化を進め、高単価・高付加価値品の売り上げが貢献した。防虫剤は、春先が天候不順の影響により需要がなかなか回復しなかったが、消費税増税の影響が限定的であったことや、エアケアで好評な「Premium Aroma」シリーズの香りを使用した新製品「かおりムシューダ Premium Aroma」や「ムシューダ ダニよけ」が好調だった。

湿気ケア(除湿剤)は、例年より梅雨明けが遅れた影響の他、パッケージのリニューアル等により拡売し、マーケットの拡大も図れたこと等で、同10.6%増の33億1900万円となった。

一方、サーモケア(カイロ)は、前期の記録的な暖冬の影響により返品が増加したことや、消費税増税の影響で売り場の立ち上げが遅れたことに加え、前期以上の暖冬であったことから市場全体が落ち込んだ結果、同16.0%減の43億2400万円と苦戦した。

その他、ハンドケア(手袋)は、家庭用手袋や業務用手袋が堅調に推移し、新型コロナウイルスに対する除菌・衛生意識の高まりから使い捨て手袋の需要も増加したが、海外での販売が低迷していること等により、同0.3%減で57億5800万円。ホームケア(その他)は、花粉対策として展開している「MoriLabo 花粉バリアスティック」が前期シーズン終了後の返品や、当期は花粉の飛散量が例年よりも少ない予測から出荷を抑えた影響で落ち込み、さらに利益構造の見直しの中で低収益商品の削減を行ったこと等により、同3.6%減の37億9700万円となった。

21年3月期の連結業績予想は、売上高2.0%増の485億円、営業利益8.1%減の31億円、経常利益10.3%減の30億円、純利益11.6%減の20億円を見込んでいる。