殺虫剤、園芸部門ともに高い伸びを示す
「ウイルス、細菌、アレルゲンなどの見えないリスクと戦う」。フマキラーが今年、掲げた成長戦略は、新型コロナウイルスの感染拡大を予測したものではない。だが、結果的にはそれを先取りする政策となった。「ひとの命・暮らし・環境を守る」という経営理念のもと、長年培ってきた技術力がコロナ禍で見事に威力を発揮。取り扱いアイテムの殺虫剤、園芸用品、家庭用品すべてのカテゴリーで好調に売り上げを伸ばしている。
巣ごもり需要を捉えたのが殺虫剤と園芸用品。新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅勤務や外出自粛要請などで自宅での生活時間が長くなり、身近な日用品の需要が高まるなか、主力の殺虫剤の2020年4〜6月の国内売上高は前年同期比19.5%増と全体をけん引した。中でも新型コロナ対策で換気のために窓を開ける機会が増えたことから、網戸に噴射するタイプの「虫よけバリアスプレーアミ戸窓ガラス」が前年の2.5倍の売り上げを記録。「窓を開ける機会が多くなると必然的に虫が入ってくる機会も増えてくる。さらに自宅で調理する場面が増えると生ごみも増え虫が出てくるようになった。虫の侵入リスクが例年より高まったことで、虫除け剤、忌避剤を中心に販売が伸びている」(大下宜生代表取締役副社長)。
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