スキンケア、メイク市場ともに平常化には時間がかかる
新型コロナウイルスは国内化粧品市場に甚大な影響を及ぼしている。資生堂は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業への影響を鑑み、本格回復は2023年になるという「ワーストシナリオ」も策定したほどだ。この最悪なシナリオ通りだとインバウンド需要の消滅以外に、リアル店舗での大幅な内需縮小は避けられない状況だ。今年の冬から来春にかけて感染拡大の第2波、第3波が起こる可能性が高いことを考えると、国内化粧品市場の行く先には暗雲が立ち込め、不透明感が漂っている。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、20年3月の化粧品の出荷販売金額は前年同期比10.1%減の1277億円。同年4月は、マイナス幅がさらに広がり同14.3%減の1130億円。そのうちスキンケアが14.9%減の569億円、メイクは23.8%減の167億円となり、3カ月連続でマイナスを記録した。4月、5月は緊急事態宣言の発出もあり大幅なマイナスはやむを得ないが、感染の第2波への警戒は根強く、「この先を考えたとき、おそらくコロナ前の状況には戻らないでしょう」という花王の澤田道隆社長の言葉が信憑性を帯びてくる。
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