陶芸家、建築家、デザイナーと多彩な顔を持つ奈良祐希氏。これからの時代は「共有」と「共感」が不可欠と指摘し、陶芸の作品も一人ではなく、コレクターと一緒に創るという。窯元の子息として育った奈良氏がこの考えに至ったプロセスは、多くの示唆に富んでいる。

ゲスト 奈良祐希(陶芸家・建築家)

ファシリテーター 菊池麻衣子(「パトロンプロジェクト」主宰)

菊池麻衣子(以下、菊池)陶芸、建築、デザインと領域にとらわれない活動をされています。クリエーションに向き合う時の感覚は完全に切り替わるのでしょうか。それとも地続きなのでしょうか。

奈良祐希(以下、奈良)感覚は違うと思います。まず、建築はクライアントあってのものですので、我を持ちつつもクライアントの意向に沿うというのが基本姿勢です。私が実際に担当するのはアイデアや図面ですが、それらのプロセスの中で多くの人々が間に入るので、作品である建築の実際の施工に自分が携わることはありません。ですので「自分」と「出来上がったもの」との距離が遠いという感覚があります。

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