マツモトキヨシは、11月29日、東京・池袋のサンシャイン通り沿いの池袋Part2店を、HBCを強化した都市型店にリニューアルオープンした。

同店はJR池袋駅からサンシャインシティに向かう繁華街のサンシャイン通りに立地する池袋エリアのフラッグシップショップ。売り場は、地下1階と地上4階の5階層で構成され、地下1階が日用品と男性化粧品、地上1階と2階が化粧品売り場、3階が医薬品と調剤、4階はエステとネイルサロン(このフロアは春に営業開始予定)となっている。

サンシャイン通りに面した池袋Part2店

男性用化粧品専用売り場も

取扱商品の総数は14820SKUで、改装に合わせ15%ほど増やした。商品構成は、化粧品が11000SKUと全体の7割強を占める一方、食品は120SKUと絞り込み、ビューティー強化を訴求した。このほか、医薬品2100SKU、日用品1600SKUも取り揃えた。

池袋Part2店の特徴は、地下1階に「メンズガレージ」と名付けた男性専用化粧品コーナーだ。従来の店舗の男性用化粧品売り場は棚3本ほどだが、ここは10坪ほどの専用売り場を設け、ガラスで囲んで隠れ家のイメージを演出。女性の目を気にせずにじっくり商品選びができる環境を作った。

商品は、資生堂のUNOなどの売れ筋に加え、ドラッグストア初導入のサロンブランドDENISのほか、富士フィルムが11月に発売した初の男性用化粧品アスタリフトメンもラインアップ。また、ヘアケア、スキンケアだけでなく、BBクリームも取り揃えた。さらに、2階のメイクサービスのコーナーでは、男性向けのメイクサービスも実施。こちらは改装前から実施しており、「眉を整えたい、にきびを目立たなくしたいなど、毎日のように男性の利用もある」(店舗スタッフ)とのことで、リニューアルでメンズ化粧品強化した後は、さらに利用者の増加も見込まれそうだ。

男性化粧品専用売り場のメンズガレージ

男性用化粧品を強化したのは、ヘアワックスに普及品(500円程度)の3倍(1500円)の高質商品を入れたところ、妻や母親の代理購買ではなく、20代から30代の男性が自分用に購入するケースが増えたことに加え、ロフトなどのバラエティショップが男性化粧品を強化していることを受けたもの。美容に対する感度の高い男性市場を開拓することで、女性客中心から客層を広げようという狙いがある。

女性用化粧品では、若年層の取り込みに力を入れている。1階にセルフのコスメ商品を集めることで、中高生などの集客力を強化した。また、2階の高級化粧品売り場では、メイクアップサービスを提供。表参道口店や銀座のBEAUTY Uでは10分のワンポイントメイクだが、ここでは「ゴーデート(デート向けナチュラルメイク)」「ゴーナイトアウト(夜の外出向けの華やかなメイク)」「ゴークレイジー(アニメファンのような個性的なメイク)」といった目的別のメイクを無料で提供。こうしたサービス面でも若い世代への訴求力の強化を狙う。このほか、ユニークな取り組みでは、オリジナルのアイスバー(1本500円)の販売もある。白砂糖や人工甘味料などを使わずに開発したナチュラルオーガニックのアイスで、ビタミンなどの栄養素が摂れるヘルシーさをアピール、集客ツールとしての効果も見込めそうだ。

手頃なメイク商品を1階に置くことで、若年層の来店を促す

100%ナチュラルなアイスバーも販売

このほか、1階奥に、インバウンド需要の高い商品を集めた売り場を設け、一カ所で必要なものが揃う環境を提供。免税対応レジも3台用意し、訪日客の受け入れ態勢も整えた。

美容に関心の高い若者層を囲い込む

池袋Part2店の改装を指揮したのが、マツモトキヨシの岡澤隆弘・取締役ファーマシー事業部長。「これまでの客層は、平日が20代から40代の女性、週末がそこに若年層を加えたのが中心だった。そこで、若年層や外国人、男性など、幅広い層が集まり、特に美容に対する感度の高い層が多いという池袋のエリア特性を考慮し、男性や外国人など、新たなマーケットを開拓するため、HBCを強化した都市型フォーマットへの刷新を決めた」と、改装の目的を説明した。

マツモトキヨシでは、この店舗の目標売上高などは公表していないが、このフォーマットを完了させた後は、そのエッセンスを他の店舗の改装などに生かすなど、横展開していく構え。