再春館製薬所は、熊本大学大学院生命科学研究部分子遺伝学分野 尾池 雄一教授、遠藤元誉助教とともに、糖尿病などの生活習慣病や心血管病の発症を加速するとされる”加齢加速タンパク質”(アンジオポエチン様因子2)がシミの原因となるメカニズムを新たに発見した。

同タンパク質は、本来組織を正常に保つためのタンパク質だが、紫外線や加齢などにより必要以上に増加することで、炎症を引き起こしたり、コラーゲンを破壊する酵素を活性化させたりするものだ。

2013年に、同タンパク質と皮膚の関連性にいち早く着目した再春館製薬所と熊本大学が世界で初めて発表した共同研究成果「シワを引き起こすメカニズム」は大きな注目を集め、以降同社ではこのタンパク質を加齢加速タンパク質と呼び、研究を続けてきた。

今回、研究によって、加齢加速タンパク質が炎症を引き起こし、チロシナーゼが活性化、メラニンの産生が促進されることで、シミの形成に関与するというメカニズムを発見。また、加齢加速タンパク質の産生を80%抑える不知火菊が持つ、シミを抑制する画期的な二つのアプローチも確認した。

現在同研究チームでは、不知火菊から有効成分を特定することにも成功。加齢加速タンパク質は本来、メタボやガンなどの医療の領域で注目されていたタンパク質だけに、化粧品への応用だけではなく、機能性食品や創薬(新医薬品)など、自社の領域を超えた応用への可能性が広がっている。