ユニー・ファミリーマートホールディングスは10月11日、傘下の総合スーパー(GMS)ユニーの全株式をドンキホーテホールディングス(HD)に売却すると発表した。不振が続いていたGMS事業を切り離し、再建をドンキに託す。一方で、流通グループとして両社の関係性をより強固にすべく、ドンキHD株の2割を取得し、持ち分法適用会社とする。
同日行われた中間決算説明会の後の会見で明らかにした。ユニー・ファミマの髙柳浩二社長は「GMSを取り巻く環境は厳しくなっている」と指摘。「思った時に良いパートナーが出てくるとは限らない。ドンキさんからお話をいただき、このタイミングで決断した」と経緯を語る。一方で、「流通業は総合性も大事。データ活用などスケールメリットが生きてくるので、3業態(GMS・ディスカウントストア・コンビニ)でやっていく方がいろいろな展開につながる」ことからドンキHDへの出資に至った。
ユニー・ファミマHDは今年の11月上旬から1株6600円でドンキHDに対する公開買い付けを実施する計画。なお現在60%を保有するユニー株は19年1月に282億円でドンキHDに譲渡するとしている。
ユニー・ファミマHDとドンキHDは17年8月に資本・業務提携を締結。同年11月にドンキHDはユニーに40%出資した。今年の2、3月にかけてユニーのGMS6店をダブルブランド店「MEGAドン・キホーテUNY」に転換。ドンキ流の陳列やお得家電、化粧品を充実させた商品構成で売り上げは転換前の1.9倍に急増。転換前にわずか2%だった20代の顧客は転換後一気に15%にまで拡大した。
両社は来年も20店舗の業態転換を行う方針を示しており、ドンキHDの大原孝治社長は「5年以内に100店舗をめどに共同店舗に転換していく」と述べた。
社名に冠するユニーを譲渡することから、ユニー・ファミマHDは「次の株式総会をめどに社名変更を検討する」(髙柳社長)考え。一方、ドンキHDは同日、さらなる世界展開を見据え、19年2月1日付でパン・パシフィック・インターナショナルHDに社名変更するとした。