ツルハホールディングス(HD)の業績が相変わらず好調だ。2018年5月期実績は、売上高6732億円で前期比116・7%、営業利益は402億円で同114%だった。ドラッグストア市場に占める売上高のシェアは9・8%。統合した杏林堂の売上合算は、前期決算では7カ月であったから、フル寄与となると10%近くのシェアとなる。
杏林堂がそうであるように、ツルハHDの業容拡大は、鶴羽樹会長の「M&Aの力」。その人柄が信頼され、傘下入りする企業は多い。ウエルシアHDの池野隆光会長も同様で、両社はこのM&Aで覇を競っている。ツルハHDはまた、今年5月愛知県で65店舗を展開するビー・アンド・ディー(B&D)の株式を取得した。
このグループシナジー追求の最たる戦略がPB開発の強化。これまで事業会社ツルハのPBの主力であったエムズワン(日用品・食品など)、メディズワン(医薬品)を一新、日用品や雑貨は「くらしリズム」、医薬品は「くらしリズムメディカル」として再スタートを切った。
ツルハHDの堀川政司社長は、前記決算発表の席上で、「エムズワンは、今上期で廃盤を終了。今秋から新ブランド(くらしリズム)の発売」を開始し、「M&Aの企業規模拡大を生かし、より良い商品を市場に送り出す」と力強く語っている。
また、「ツルハの特色、強さは教育にある」と明言。これまでの能力開発本部が枝分かれして、化粧品教育部を新設。これを杏林堂、B&Dにも水平展開。グループを上げて、接客推奨販売のレベルを引き上げていく方針だ。化粧品における教育の成果を堀川社長は次のように言う。
ツルハの化粧品販売員の教育に当たるビューティスーパーバイザー(BSV)が40名。1人が30店強を担当している。BSVがこの30店の中で、成績が悪い店、販売員が育っていない店を3店選び、教育を徹底した結果、化粧品全体の売り上げ前年比は115%に底上げできたという。ちなみに制度品は117%、一般化粧品で113%。この実績を調剤にも生かすとしている。
今期(19年5月期)の出店計画は、グループで130店。今期末で約2090店となる。