ファンケルは、肌の悩みをいつでも相談できる環境を整え、顧客との継続的な関係づくりを進める。10月27日から肌専門のAI「FANCL SKIN MATE(ファンケル スキンメイト)」の無料提供を開始した。店頭で培ったカウンセリングの知見をデジタルに広げ、日々のケアを支えることで、ブランドへの信頼を育てる。テレビCMには、店頭カウンセリングサービス「FANCL SKIN PATCH(ファンケル スキンパッチ)」に続き、3人組バンドのMrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)と俳優の浜辺美波を起用。同日から全国で順次放映している。

ファンケル スキンメイト

スキンメイトの開発の背景には、情報や商品があふれる中で、自分の肌に合うケアを選べないという課題がある。同社が10月に実施した調査では、肌に悩みがある人の6割以上が、身近に肌について信頼して相談できる人やサービスがないと回答した。こうした相談先の不足に対し、45年以上の皮膚科学研究と、直営店舗での100万人以上のカウンセリング、直営通販の相談対応で蓄積した知見を結集した。開発にはキリングループのデジタル知見も活用している。

 

ファンケルの三橋英記社長執行役員

研究と接客の蓄積を無料で提供する判断には、顧客との信頼を先に築く考えがある。ファンケルの三橋英記社長執行役員は「まずお客さまに信頼していただくための第一歩だと思っています。その信頼の結果、ファンケルの製品を買おう、使ってみようと思っていただくのが一番いい」と説明する。自分の肌を知り、必要なケアを選べるよう支援する姿勢を、サービスを通じて伝える。

スキンメイトはファンケルの公式アプリ「FANCL メンバーズ」で提供し、無料の会員登録で回数の制限なく利用できる。チャット機能による「会話」と、素肌を撮影する「顔画像解析」を通じ、スキンケアやインナーケア、生活習慣を提案する。顔画像解析では、キメ、うるおい、油分、シワ、シミ、毛穴の6項目を可視化。会話を重ねることで、肌状態や生活環境を踏まえた、より個人に合ったアドバイスにつなげる。

店頭サービスであるスキンパッチとのデータ連携も特徴だ。スキンパッチは、肌表面の角層細胞から得られる情報を解析し、現在の肌状態や将来の肌トラブルの傾向を可視化する。FANCLメンバーズで会員登録すると、その肌データがスキンメイトに自動連携され、日々の相談に活用できる。店舗で肌を詳しく知り、その後のケアをアプリで支える仕組みを整えた。

Mrs. GREEN APPLE

スキンパッチの認知拡大と浸透に貢献したMrs. GREEN APPLEと浜辺美波を、スキンメイトのテレビCMにも起用した。Mrs. GREEN APPLEの大森元貴は、スキンメイトを試し、「明日のライブに最高の状態で臨むために、僕に合ったケアを教えて」と相談すると、スキンメイトは朝食でトリプトファンを意識し、鶏胸肉や卵、大豆、ヨーグルトなどを取り入れることを提案。さらに「光と生活リズムで睡眠を整える」として、就寝前のスマートフォンやカフェインを控え、毎日同じ時間に寝起きする習慣を勧めた。生活習慣に踏み込んだアドバイスに、「僕のこと、めちゃくちゃ分かってくれている。親友になっちゃうかも!」と評した。

先行するスキンパッチは、3月の導入から10月までに延べ体験者数10万人を突破した。POPUPイベントの体験者調査では満足度99%、別途実施した体験者調査では78%が習慣の変化を回答した。三橋社長によると、来店のきっかけとなるほか、以前は製品を使っていたものの、利用を離れていた顧客が戻る動きも出ている。

一方、スキンメイトは、店舗への来店が難しい人との接点を広げるとともに、店頭の顧客との間にも日常的なつながりをつくる。三橋社長は「既存のお客さまも含めて、信頼して相談できる関係づくりを優先している。アクティブなお客さまの数は注視している」と話す。アプリ会員数の拡大だけでなく、相談を通じてブランドを理解し、継続して関わる顧客を育てる考えだ。

サービスを通じて得るデータは、今後のマーケティング活動や研究、商品・サービス開発にも活用する計画だ。店頭とデジタルで顧客理解を深め、その知見を次の提案に還元することで、信頼を事業の成長につなげていく。