お盆は妻の実家がある函館で過ごした。オートキャンプ場に出かけ、花火をし、温泉に入る。7歳の娘は生意気になり、わが道を行く。3歳の息子は視界からママがいなくなるだけで泣く。子どもたちとの時間を満喫し、しっかり疲労もため込んだまま、一人で旭川へ向かった。

目的は化粧品専門店「cosme910」の取材だ。今回は北海道の化粧品専門店の経営者も集まり、一緒に工藤貴弘社長の意図を聞いた。経営者と記者では見るところも、聞くことも違う。店舗運営の工夫など、私一人では引き出せなかった話も多い。翌日は旭川の家具産業やデザインの歴史を学び、前日に見た改装の意味をより深く理解できた。

今号のロレアル特集では、フランスと日本で多くの人に会った。印象的だったのは、自分の仕事やロレアルを語るとき、みな満面の笑みを浮かべることだ。それが気になって「ロレアルで働いていて幸せですか」と尋ねると、それぞれが自身の経験を語り「だから幸せ」と答えた。国籍や職種は違っても、根っこには共通するものがあるように感じた。

取材とは、用意した質問への答えを集めることだけではない。人に会い、現場を歩き、自分では持ち得ない視点に触れる。そこで拾ったさまざまな情報をつなぎ、編み、意味を見いだしていく。編集者や記者という仕事の醍醐味が、そこには凝縮されている。今回の取材を振り返ると、私自身もまた、幸せな時間を過ごしていたのだと思う。息子は9月に4歳になる。子どもたちはあっという間に大きくなる。家族との時間も、仕事の時間も、これからも存分に楽しみたい。

月刊『国際商業』2026年10月号掲載