12月を期末とする化粧品・日用品メーカー主要10社の2026年12月期上期決算が出そろった。物価高や原材料・物流費の上昇、欧米市場の競争激化など厳しい事業環境が続く中、増収増益を確保する企業が相次いだ。

特徴は、ここ数年各社が進めてきた構造改革や価格改定、高付加価値化の成果が、収益力の改善として明確に表れ始めたことだ。事業構造の見直しや高付加価値化、収益性を重視した経営が、「稼ぐ力」の底上げにつながっている。

その手法は一様ではない。資生堂は米州を中心とした構造改革と全社的なコスト管理、花王は価格改定や高付加価値品の拡大に販売数量の増加が加わった。ライオンは最重点事業のオーラルヘルスケアを強化する一方、事業売却や海外M&Aを通じてポートフォリオを組み替えた。ポーラ・オルビスホールディングス(HD)も基幹ブランドの収益性改善や赤字事業の損失縮小が業績を押し上げた。各社がそれぞれの方法で、これまでの取り組みを業績に結び付けている。

そして各社は、そこで得た収益力を足場に次の成長へ動き始めている。資生堂はマーケティング投資を拡大し、コーセーHDは主力ブランドへの投資を続けながら「製販一体」の体制改革に踏み込む。ライオンは海外でM&Aや設備投資を進め、I-neは健康食品などの新領域と海外販路を開拓。ミルボンも米国、EU、韓国、中国の重点地域で成長を加速している。焦点は、改革の成果を利益に表す段階から、それを売り上げ成長へつなげる段階へ移った。

ただ、成長への足取りが一様に進んでいるわけではない。中国を含むアジアには回復の兆しが広がる一方、欧米では景気減速や競争激化の影響が残る。原材料・物流費の上昇も続き、ユニ・チャームは通期コア営業利益予想を下方修正した。小林製薬は売り上げ回復を利益改善へつなげる途上にあり、コーセーHDも積極投資が利益を圧迫している。改革で高めた収益力を持続的な成長へつなげられるか、各社にとって重要な転換の年となっている。

●資生堂

構造改革が利益成長に直結

売り上げ回復へ攻めを強める

資生堂は、為替や事業譲渡の影響を除く上期の実質売上高が前年並みにとどまったものの、第1四半期の減収から第2四半期には増収へ転じ、トップラインに回復の兆しが出た。「エリクシール」や「narciso rodriguez」がけん引し、日本、中国・トラベルリテール、アジアパシフィック、欧州で販売動向が改善した。一方、欧米では競争激化や一部ブランドの苦戦が続き、上期売上高は会社想定を下回った。

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