コーセーの2025年12月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.7%増の2405億1000万円、営業利益が27.8%減の135億7500万円、経常利益が34.5%減の135億4300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が0.3%減の93億8700万円となった。
セグメント別にみると、化粧品事業はハイプレステージにおいてメイクアップブランドの「ジルスチュアート」などが減収となったが、アルビオンの主要ブランドを筆頭に「コスメデコルテ」ならびに「タルト」が増収となった。加えて、新規連結対象の「パンピューリ」の上乗せも増収に寄与した。なお、「コスメデコルテ」はアジアにおいては減収となったが、日本国内で大きく売り上げを伸ばした結果、第3四半期累計期間より増収に転じた。プレステージでは、「ONE BY KOSÉ」および「エスプリーク」は増収となったものの、主要ブランドである「雪肌精」において、前年同期を下回る実績となった。事業全体の売上高は1.3%増の1899億3900万円と増収。利益面では、中国本土で増益となったものの、タルトおよび中国免税の減益を相殺するには至らなかった半面、中国本土では構造改革の効果が顕在化したことで、引き続き黒字を維持したこと、「タルト」におけるブランドのプレゼンス維持に向けた積極的なマーケティング投資、物流費の増加等もあり、営業利益は24.6%減の116億8400万円と減益だった。
コスメタリー事業は、「メイクキープ」が好調に推移したものの、コーセーのセルフメイクアップブランドおよびコーセーコスメポートへのヘアケアブランドなどが競争激化の影響を受け、売上高は2.1%減の483億9100万円、営業利益は22.7%減の52億4800万円と減収減益となった。
その他の事業は、主にアメニティ事業での増収による売上総利益の増加が寄与。売上高は18.6%増の21億7900万円、営業利益は17.9%増の11億800万円となった。
地域別売上高を見ると、日本は、1%増の1570億4600万円。コスメタリー事業でコーセーのセルフメイクアップブランドおよびコーセーコスメポートにおいて減収となった一方、化粧品事業においては「コスメデコルテ」が新製品の発売が貢献し、実績を伸ばしたこと、ならびにアルビオンの主要ブランドが「アルビオン」のエクシアシリーズを中心に好調に推移した。
アジアは、0.4%減の298億8300万円となった。新規連結対象となったピューリ社の売り上げの上乗せがあったものの、免税チャネルの減収を相殺するには至らず、地域全体ではわずかに前年同期の実績を下回った。免税チャネルにおいては、コーセー主導による出荷コントロールを継続している。中国本土では、前第3四半期に実施した構造改革の成果が着実に表れており、売上高は前年並みまで回復。
北米・その他は、1.5%増の474億200万円、欧州などその他地域の売上高は5.2%減の61億7700万円となった。同地域における売上高の大半を構成する「タルト」は、増収となった。消費センチメントの減退により、北米オフラインチャネルは減収となったが、既存ECの売上好調に加え、大手ECとの新規取引開始による出荷増で打ち返した。コーセーブランドにおいては、前年同期に「雪肌精」の大型受注があった一方、当該四半期の受注が翌四半期へ後ろ倒しとなった影響で減収。
25年12月期業績は、売上高4.1%増の3360億円、営業利益15.2%増の200億円、経常利益4.4%減の207億円、親会社株主に帰属する当期純利益83.7%増の138億円と前回予想を据え置いた。























