サントリーウエルネスは2025年12月4日、東京・赤坂において第3回「人生100年時代の物語大賞」の授賞式を開催した。

同授賞式は、高齢者施設の高齢者や認知症のある人など、日頃は周囲から支えられる場面の多い人が地元のJリーグのクラブを応援することで“支える存在”になることを目指す「Be supporters!」活動の一環として行っている。

今回は、全国の「Be supporters!」参加施設の職員から応募された36の物語のうち、審査員による審査会での選考、一般投票を実施して選出した。

授賞式は2部で構成。第1部では、全国1万1218人の一般投票で得票順に選出された「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」、今年新設した「職員賞」を表彰した。

ゴールドは、山口県山口市の医療法人真人会はるかぜの丘はるかぜデイサービスセンターの「あきらめない91歳、転んでも立ち上がるヨシコさんの物語」が受賞。利用者のヨシコさんともっと楽しみたいという職員の思いから始まった活動が、ヨシコさんが応援するレノファ山口FCの松田佳大選手との絆を結び、ヨシコさんの活力となったストーリー。施設を代表して表彰状を受け取った職員の安立誠さんは、「目標に向かって困難を乗り越えるヨシコさんの姿は、私たち職員にとっても大きな希望になっています。利用者がいくつになっても輝けるよう挑戦を続けていきたい」と語った。

シルバーは神奈川県川崎市の社会福祉法人セイワ介護老人福祉施設鷲ヶ峯の「応援の魔法がもたらした、介護現場での驚きの変化」、ブロンズは神奈川県横浜市のReHOPE東戸塚の「4年ぶりに外の世界へ〜植竹さんが教えてくれたこと〜」、職員賞は神奈川県川崎市のSOMPOケアラヴィーレ久地の横山雅裕さんがそれぞれ受賞した。

第2部では、「よみがえる審査会“幸福寿命〜人生100年時代を幸せに生きるヒント”」と題し、フリーアナウンサーの町亞聖氏がファシリエーターを務めトークセッションを開催。お笑い芸人の安藤なつ氏、作家の岸田奈美氏、東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典副所長、サントリーウエルネス生命科学研究所の平野杉研究員が登壇し、受賞物語に対する思いを各登壇者が述べるとともに、人生100年時代を幸せに生きるヒントについて意見を交わした。また、平野研究員が「Be supporters!」に参加するシニアを対象にした幸福度に関する研究を紹介。“推し活”が生きがいと強く連動しており、他者とのつながりの質と量が豊かになることや、役割ができ承認されることが幸福度の向上に寄与していることを明らかにした。

会場にはJリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏がサプライズゲストとして登壇。「Jリーグが目指してきた“スポーツを通じた地域社会への貢献”が皆さんの感動の物語として形になっていることに感動し、涙が止まりませんでした。年齢を重ねると薄れがちな生きがいや感動を、皆さんが体現されている姿に勇気をもらいました」と、感極まった声で伝えた。