コーセーの2024年12月期第1四半期の連結決算は、売上高が前年同期比13.8%増の775億8300万円、営業利益が35.5%増の79億200万円、経常利益が54.1%増の102億8200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が78.1%増の69億4300万円となった。
セグメント別にみると、化粧品事業はハイプレステージにおいて「コスメデコルテ」が日本国内で引き続き好調に推移した一方で、中国においては減収となった。それ以外のブランドでは、アルビオンの「エレガンス」が大きく伸長し、メイクアップブランドの「ジル スチュアート」が堅調に推移した。欧米で展開する「タルト」は、主力商品のコンシーラーや新商品のリップ、マスカラ等で売り上げを伸ばした。プレステージでは、主力ブランドの「雪肌精」「ONE BY KOSÉ」および「エスプリーク」も大幅に増収。結果、売上高は11.2%増の621億6400万円、営業利益は5.5%増の68億1600万円となった。
コスメタリー事業は、コーセーコスメポートの「ソフティモ」「クリアターン」等が順調に推移し、
また「ヴィセ」および「メイク キープ シリーズ」が好調だったため、売上高は25.9%増の148億800万円、営業利益は同385.8%増の23億600万円となった。
その他の事業は、ホテルやゴルフ場向けアメニティ製品の販売やOEM生産の受注が増加したため、売上高は18.2%増の6億1000万円となっが、営業利益はマーケティングコストの増加により25.2%減の1億4500万円となった。
地域別売上高を見ると、日本は、百貨店・化粧品専門店チャネルにおけるハイプレステージが、引き続き好調に推移。ドラッグストアなどのマスチャネルにおいても、プレステージの主要ブランド「雪肌精」は、化粧水のリニューアルもあり好調に推移し、その他プレステージおよびコスメタリーの主要ブランドも、需要回復の後押しもあり、引き続き伸長。結果、売上高は18.2%増の488億3400万円となった。
アジアは、中国で事業改革を推進するも、厳しい市場環境において、Eコマースおよび店頭販売の売り上げは減収となった。トラベルリテール事業は、在庫水準の高止まりと流通側の仕入れ抑制が続く中で出荷のコントロールを強化した結果、大幅な減収となった。これらの結果、売上高は23.7%減の96億5300万円となった。
北米は、タルトが主力商品および新商品の売り上げが伸長し、プレステージメイクアップ市場において高い市場シェアを維持。SNSでの販売拡大も寄与し、さらに円安進行がプラスに働き、売上高は30.5%増の168億6300万円となった。
欧州などその他の地域では、タルトが売り上げを牽引し、売上高は76.8%増の22億3200万円となった。
2024年12月期の連結業績予想は、売上高3.9%増の3120億円、営業利益25.1%増の200億円、経常利益2.7%増の208億円、親会社株主に帰属する当期純利益8.0%増の126億円の見通し。