今年10回目を迎えた欧州最大のテクノロジーイベントVivatech(ビバテック)。その盛況さが熱波を呼び込んだかのような汗ばむ6月のパリで、マクロン仏大統領をはじめ、インドのモディ首相や、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏を迎え、4日間で世界165カ国から20万人以上の来場者を記録した。この種の国際見本市といえば、1960年代に米国で始まったコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(=CES、現在は毎年1月にラスベガス開催)が有名だが、CESが家電や民生用コンピュータ関連メーカーを中心としてきたのに対し、ビバテックは初めから大企業とスタートアップの協業やオープンイノベーション、あらゆる業界におけるAIやテックに基づくソリューションに重点を置いてきた。このため、ビバテックには、欧州ばかりか、世界中のITビッグテック、通信・インフラ・金融、ヘルスケアやビューティー関連、サービス業者などから、スタートアップや若手研究者、大学・研究機関、各国政府・公的機関などが結集する。10周年の今年のメインテーマはずばり「AI」――。主権や倫理、エネルギーやモビリティ、健康長寿、クリエイティビティなどさまざまな側面からAIに照準を当てた。

10周年のオープニングを飾ったのは、ビバテックを創設した仏広告大手のピュブリシス・グループで長年CEOを務めてきたモーリス・レヴィ名誉会長と、第1回以来プラチナスポンサーとしてビバテックを盛り上げてきた張本人LVMHのベルナール・アルノー会長兼CEOのトークだった。フランスの広告業とラグジュアリービジネスを代表する、40年代生まれの大実業家2人が、早くからテックや起業家の重要性に目覚め、自らの業界を超える俯瞰的立場で先端技術の推進や、協業支援に乗り出してきた先見の明に驚かされる。

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