KOSHINO KIRAMEKI社は、新スキンケアブランド「aelu WA(アエルワ)」を立ち上げ、9月24日から公式オンラインストアで発売した。銘酒「越乃寒梅 純米大吟醸」の醸造過程で生まれる酒粕と、新潟に根付く梅の文化を掛け合わせ、酒造りで培われてきた発酵の知恵を現代の美容へと再編集したラグジュアリースキンケアブランドである。ローション、美容液、クリームの3品を展開する。

KOSHINO KIRAMEKI社が掲げるのは「発酵を通して、日本文化を未来へつないでいく」という考え方だ。その原点には、越乃寒梅を醸造する石本酒造の存在がある。同社の石本幸子社長は「昔からあるものをそのまま残すことだけが、文化をつなぐことだとは思っていません。本質やものづくりを大切にしながら、次の世代の方が使いやすく、実際に体験したいと思える形へ変えていく。それが私たちの目指すところです」とブランド立ち上げの背景を説明した。

ブランド名の「aelu」は日本語の「和える」に由来し、「WA」には和や調和の意味を込めた。発酵と美容、自然と科学、伝統と革新など、異なるものを掛け合わせ、それぞれの価値を引き出すことをブランドの思想に据える。目指すのは若さそのものを追求する美容ではない。「発酵とともに、時を重ねる美しさへ」を掲げ、年齢を重ねることで生まれるその人ならではの美しさに寄り添う。

製品の核となるのが、独自の発酵コンプレックス成分「アエルン(トリニティ発酵液)」だ。越乃寒梅 純米大吟醸の酒粕をベースに、乳酸桿菌とサッカロミセス、さらに群馬県産の梅の花を組み合わせて発酵させた。梅の花は開花の時期に一輪ずつ手摘み。花びらだけでなく、花が持つ微生物まで生かすという発想で原料化し、開発まで3年もの期間を要したこだわりの原料だ。

石本酒造にとって梅は縁の深い存在でもある。同酒造が位置する新潟市亀田地区は古くから梅の産地として知られ、残雪の中でいち早く春を告げる梅の姿は「越乃寒梅」の名にもつながっている。梅の実を酒へ活用してきた酒造の歴史を踏まえ、石本社長は「アエルワでは梅の花を美容に生かした」と説明。

商品はシンプルな3ステップで構成する。「毎日使うものだからこそ、お手入れを複雑にしたくなかった」と石本社長が話すように、ローションで潤いを与え、セラムで整え、クリームで包み込むことを基本とした。多くのアイテムを重ねるのではなく、一品一品を手のひらでゆっくりと包み込むようになじませる使用法を提案する。

商品はローション、美容液、クリームの3品で構成する。「a-Lotion」(110mL・3万3000円)は、梅の花びらを模した「花びらヒアルロン酸」を配合し、濃密ながら重さを感じにくい使用感に仕上げた。ブランドの中核となる「a-Serum」(40mL・3万9600円)は、独自発酵原料「アエルン」を高濃度で配合し、朝晩だけでなく日中のポイントケアにも対応。「a-Cream」(40g・3万6300円)は国産米ぬかオイルやダマスクローズ由来PDRN、エクトインなどを配合し、潤いを与えながらシルキーになじむ設計とした。3品には白檀とホワイトリリーを組み合わせた共通の香りを採用し、スキンケアの時間そのものを豊かな体験として提案する。

アエルワの特徴は、化粧品販売だけでブランドを完結させないことにもある。KOSHINO KIRAMEKI社では美容、食、旅を事業の柱に位置付け、2026年4月からプレローンチとして各地で「サロン会」を開催。発酵料理や香り、スキンケアを通じて発酵文化に触れる場を設けてきた。

今後は百貨店のポップアップや外商顧客向けイベントなど、ブランドの背景を丁寧に伝えられるチャネルを中心に展開する。さらに酒蔵や器、工芸、茶、花など日本文化に触れる旅へと体験を広げ、将来的には海外の発酵文化との接点もつくる考えだ。「商品を使うことから始まり、体験へ、そしてコミュニティーへ」とし、顧客との継続的な関係構築をラグジュアリーの新たな価値として打ち出す。

海外展開も中長期的に視野に入れる。まず国内の百貨店やサロン会に加え、ラグジュアリーホテルなどで訪日客との接点を設け、ブランド認知を形成する考えだ。将来的には独自発酵原料を起点に、国内外の企業との商品開発なども検討していく。

発酵コスメ自体は決して新しいカテゴリーではない。その中でアエルワが掲げるのは、酒造りを単なる原料ストーリーとして利用するのではなく、発酵、日本文化、体験までを一つのブランド価値として組み立てることだ。石本社長は「昔からあるものを新しい形に変え、皆さまに使いやすい形で届けたい」と意気込みを語る。