再春館製薬所は、主力製品「ドモホルンリンクル」の主要な原料である高麗人参「長白参(ちょうはくじん)」と同じ有用成分の新たな価値が望める原料開発について、NTT 東日本、テクノーブルと連携し、ICTとAIを活用した次世代循環型農業「オタネニンジン(高麗人参)アクアポニックス栽培」の共同実証実験を6月より開始した。長年蓄積してきたオタネニンジンへの知見と最先端のICT技術を掛け合わせることで、国内完結型の高付加価値エコシステムの構築を進める。

現在、高麗人参の調達は約99%を海外輸入に頼っているが、同プロジェクトの実施により、土を使わず水と魚の排泄物を循環させる「アクアポニックス技術」により、大地への環境負荷をゼロに抑えながら国内で安定生産する「循環型モデル」を確立し、高麗人参の国内安定生産を目指す。

共同プロジェクトでは、国内生産による環境負荷低減と供給の安定化を検証する。海外輸入への依存から脱却し、国内で完結する生産体制を構築。これにより、輸送時の燃料消費やCO2排出量を大幅に削減し、持続可能なサプライチェーンを実現する。従来の土耕栽培と比較して、水耕栽培への移行後は収穫までの期間を大幅に短縮できる見込みだ。

そのカギになるのがICTとAIの活用。栽培室内の温度、照度、水質などの環境データをセンサーで収集し、AIで分析する。最適な環境を制御することで、自然栽培下では天候などの外部要因に左右される有用成分「ジンセノサイド」の含有量を大幅に高めることを目指す。

アクアポニックス栽培においては、無農薬かつ室内で厳密に環境管理。この環境を生かし、従来活用されていた根だけでなく、葉、茎、実までを余すことなく活用する「全草活用」を推進し、新たな機能性原料の開発可能性の探索につなげる。

同プロジェクトの第一歩として、東京都調布市のNTT中央研修センタ内に設置されたNTTe-City Labo内の一室をアクアポニックス技術を活用したオタネニンジンの栽培に関する実証スペースとして新たに整備。栽培における環境要因のデータ収集および分析を開始する。オタネニンジンと密接な関わりを持つ栽培室内の温度や照度、水質をはじめとした環境データをセンサーによって収集。AIでデータの相関性を分析することで、オタネニンジンにとって最適な環境を実現する。

また、NTT東日本の保有するその他のDXソリューションや製品などの活用に関し、同施設での効果検証を進めることで、さらなる環境負荷の低減や栽培環境の自動化、省人化を進めていく考えだ。

再春館製薬所では、今回の実証実験を通じて理念である「自然とつながり、人とつながる明日を」の実践を加速していく。