乾燥予防のパイオニアであるメディプラスは、グループ会社であるメディプラス製薬が保有する独自成分「オゾン化グリセリン」に関する研究において、皮膚のバリア機能に関わる新たな作用を確認した。同研究により、オゾン化グリセリンは、従来の保湿機能にとどまらず、皮膚の構造維持・炎症抑制・修復促進に関与する多面的な作用を有する可能性が示された。

皮膚は外的刺激から身体を守る重要なバリア機能を担っており、その健やかな状態の維持には、角層だけでなく細胞間接着構造(タイトジャンクション)など、皮膚構造全体の安定性が重要とされている。しかし、炎症や外的刺激により、これらの構造は容易に損なわれ、バリア機能の低下や乾燥、肌トラブルの原因となる。

近年では、こうした背景から、単なる保湿にとどまらず、皮膚の“構造そのもの”にアプローチする成分開発が求められている。

オゾン化グリセリンは過去の研究結果より、炎症反応への作用、抗菌作用、抗ウイルス作用に関する報告があるが、このたび皮膚修復および炎症抑制における機能について評価を実施した。

同内容は、米国・ノースカロライナ州立大学の教授で、グローバル大手企業のサイエンスアドバイザーを歴任するジュセッペ・ヴァラッキ教授らとメディプラス製薬との国際共同研究であり、1年半にわたる準備と検証を経て、2026年2月、国際学術誌「Cosmetics」に掲載された。

同研究では、3D皮膚モデルおよびヒト皮膚組織を用い、オゾン化グリセリンが皮膚に与える影響を多角的に評価した。その結果、オゾン化グリセリンは、以下四つの作用を示すことが確認された。

①創傷閉鎖効果

<実施内容>
ヒト皮膚モデルに人工的な損傷を与え、オゾン化グリセリンおよび対照(グリセリン)を添加し、一定期間後(13日)の創傷閉鎖率を比較。

<結果>
オゾン化グリセリン処理群では、対照群と比較して創傷閉鎖率が向上(約6.8%改善)。

<結論>
表皮再生および修復プロセスへの寄与が示唆された。

https://www.mdpi.com/2079-9284/13/1/42  Figure.1-a参照

OG(オゾン化グリセリン)で処理したモデルは、G(グリセリン)群および対照群と比較して、その期間を通じて有意に創傷閉鎖が促進された。

②炎症関連因子の抑制評価

<実施内容>
炎症誘導条件(LPS刺激)下において、オゾン化グリセリンの添加による炎症性サイトカインの発現量を測定。

<結果>
IL-1αの発現抑制。

<結論>
炎症環境下における肌状態の維持に寄与する可能性が示された。

https://www.mdpi.com/2079-9284/13/1/42 Figure.1-f参照

対照群およびG(グリセリン)処理モデルと比較して、IL-1αの放出が有意に減少した。

③タイトジャンクション関連タンパクの産生評価

<実施内容>
ヒト表皮細胞モデルを用い、オゾン化グリセリン処理によるタイトジャンクション関連タンパクの発現量を測定。特にクローディン-1に着目し、免疫染色および発現解析を実施した。

<結果>
オゾン化グリセリン処理群において、クローディン-1をはじめとするタイトジャンクション関連タンパクの発現量が有意に増加。

<結論>
皮膚の細胞間接着構造の強化につながる可能性が示唆された。

https://www.mdpi.com/2079-9284/13/1/42 Figure.2-a,b参照

クローディン-1はOG(オゾン化グリセリン)処理培地において未処理群と比較して4日目に有意に増加したが、グリセリン処理培地では有意差は認められなかった。

④皮膚構造(ECM)保護評価

<実施内容>
真皮構造に関わるエラスチンに対する影響を、炎症条件下で評価。

<結果>
エラスチン分解の抑制(最大約67.7%改善)

<結論>
肌の弾力・構造維持への寄与が示唆された。

https://www.mdpi.com/2079-9284/13/1/42 Figure.3-c,d参照

エラスチンの分解は、OG(オゾン化グリセリン)処理サンプルにおいて有意に抑制された。

同研究は、オゾン化グリセリンは保湿にとどまらず、肌の構造そのものへアプローチする可能性を示した。同社は皮膚の健全性を向上させ、肌荒れを防ぐ設計を目指した化粧品原料として、今後も自社製品への適用を拡大し、乾燥予防を起点とした新たなスキンケア価値の創出を目指していくとしている。