日本最大級のペット産業見本市「第15回インターペット東京」が、4月2日から5日までの4日間、東京ビッグサイトで開催され、業界関係者および一般来場者あわせて6万19人が来場した。会場は大規模修繕の影響で規模を縮小しながらも、13カ国・地域から633社が出展。フードや用品にとどまらず、インテリア、IT家電、自動車、ヘルスケアなど多様な分野が参入し、「ペットの家族化」を背景とした市場の広がりを示した。

会場では、従来のペットフードに加え、水分補給や食べやすさを意識したウェット製品やジュレ、スープなどの提案が目立ち、ドライフードに湯をかけて柔らかくするタイプなども増加。健康志向の高まりとともに、嗜好性との両立を図る動きが広がった。また、人間と同じ食品体験を志向した商品開発や、海外ブランドの出展増加、ヴィーガン志向の広がりなども確認され、市場の多様化が一層進んでいる。

こうした中、ロイヤルカナンは「真の健康を、専門家とともに。」をテーマに出展。著名獣医師による肥満度チェックやフード選びのアドバイス、動画上映などを通じて、ペットオーナーに対し科学的根拠に基づく栄養管理の重要性を訴求した。ブースでは社員獣医師による体型評価(ボディコンディションスコア)の体験が行われ、適正体重の維持が健康寿命に直結することを啓発。世界的に犬猫の約4割が肥満傾向にあるとされる中、日常的な体重管理の必要性を具体的に提示した。

また同社は、療法食における新たなアプローチとして、避妊・去勢後の体重増加リスクに対応した犬用製品「ニュータードケア」のラインアップを拡充。既存の小型・中型犬向けに加え、大型犬向け製品を投入した。犬種や体格、年齢ごとの課題に応じた栄養設計で避妊・去勢直後だけでなく、長く犬の健康を支えられるのが特徴だ。

また同社は、療法食について動物病院と連携して管理する仕組みを導入し、購入履歴が獣医師側にも共有される体制を構築。食事管理を医療と一体で行うことで、予防領域まで含めた健康維持を目指す姿勢を打ち出した。

用品分野では、ユニ・チャームの「マナーウェア」におけるデザイン刷新のように、ペットの生活スタイル変化に対応した提案も進む。従来は〝服を着ない前提〟でデザインされていた製品が、現在では〝洋服を着ることが一般化した〟状況を踏まえ、主張を抑えたシンプルな仕様へとシフトしている点は、ペットの人間化を象徴する動きといえる。


600以上の企業がそれぞれのテーマに沿ってブースを展開

また酷暑化に対応したアイテムとして、「おいぬさま」ブランドなどから静音ファン搭載の空調リュックやひんやりウェアなどが展開されていた他、ドッグフードの自動販売機「愛犬の食卓」を展開するマーブル&コーもブース出展。これは、外出先での気軽なペットフード購入を支える他、災害発生時の非常食としても機能させる構想のあるもので、近年高まりつつあるペットの防災意識の高まりを感じさせた。

月刊『国際商業』2026年06月号掲載