ナリス化粧品は、角質(※1)剥離を促進する2種の植物成分(オトメユリ・タラゴン)を見いだし、特許登録に至った。この特許登録は約90年にわたり継続してきた角層(※2)研究の成果だ。

同社は、1937年に老化角質を取り除くことで肌に栄養を与えることを目的としたふきとり化粧水「ナリス コンク」を発売して以来、途絶えることなく角層研究を続けてきた。タンパク質は、皮膚が生まれてから老化角質となって剥がれ落ちるまでの間に、糖化・カルボニル化・ニトロ化などさまざまな変化をすることが知られている。最後に剥がれ落ちる角層剥離に対しては、タンパク質の変化がどのように影響しているのかを突き止め、2020年に開催された化粧品技術者の国際学会であるIFSCC Congressにて発表している。演題名は「Protein modification leading to serious skin desquamation loss」。和文は「角層剥離の深刻な低下につながるタンパク質の修飾」。

角層剥離には、角層細胞を接着する因子と、この接着因子を分解する酵素が関与している。同社では、角層の厚さや関連成分との関係を調べた結果、角層細胞の接着因子であるDSG1が糖化・カルボニル化・ニトロ化されると分解酵素による接着因子の分解が抑制されることを確認した。その結果として、角層剥離が正常に行われず、角層の肥厚が生じる可能性があることを明らかにした。

このような接着因子が分解されにくくなることを防いだり解消したりする成分として、小ぶりでピンク色の花びらを持つ「オトメユリ」と、料理用スパイスとしても知られるハーブの「タラゴン」を見いだし、特許申請し登録に至った。特許登録番号は「7820193」、登録日は26年2月16日、名称は「角層剥離改善剤」、発明者は同社研究開発部の森田哲史氏だ。

赤色=DSG1 糖化・カルボニル化・ニトロ化した角層では、DSG1の分解が抑制

1932年の創業時から研究開発部門を持つ同社において、角層およびふきとり化粧水の研究は最重点分野の一つだ。これまでに成分開発のみならず、感性価値や、製造技術などの研究も行い、IFSCCをはじめとする学会での発表を行っている。

同社のふきとり研究プロジェクトの主要メンバーでもある森田氏は、「当社には、独自の角質除去成分『白花豆エキス/ベニバナインゲン種子エキス(保湿剤)』があります。今回の特許登録成分を『白花豆エキス』と組み合わせたり、これまでのふきとり化粧水と組み合わせたりすることで、さらにふきとり化粧水の効果を引き上げることにつながるため、広がりのある研究だと考えます」と語った。

 

※1 不要な老化角質

※2 肌の最外層そのもの