コーセーは、これまでリサイクルが困難だった印刷済みのポリプロピレン(以下、PP)の端材を、無色透明のバージン材に匹敵する透明な樹脂へと再生する脱墨(だつぼく)技術を、協力会社と共同で開発した。この技術を用いた再生原料を、同社のメイクアップブランド「ファシオ」から4月16日に発売する限定品「BB ティント UV クール」の個包装箱に活用する。

透明性が高く幅広い製品に使用されるPPは、着色して使用されるケースも多く、再生利用時に色が抜けず用途が限られる課題があった。新たに開発した脱墨技術は、インクとの親和性が高い特別な洗浄液が、インク成分を吸着・除去することで、再生材特有のにごりやくすみを取り除く。バージン材と遜色ない高い透明度を実現したことで、個包装箱の資源として再生できるようになった。

化粧品において個包装箱は、お客が商品を手にする際の高揚感を醸成する重要な要素で、“パケ買い”のように商品選びの重要な動機付けの一つとなる。高い透明性を有するPP素材は、内容物の繊細な色・質感や、容器に施された独自の意匠を個包装箱越しに視認できることから、ブランドの世界観を具現化する選択肢の一つとして欠くことのできない素材だ。そのため、色ムラやくすみが生じる従来の樹脂リサイクル技術では、印刷したPPの端材を化粧品の個包装箱へ再生することは困難とされてきた。

同社は、化粧品の個包装箱としての機能を維持できる透明性と、環境負荷低減につながるリサイクル性を同時に実現したことで、将来的には定番品への採用のみならず、業界に向けて循環型プラスチックという新たな選択肢を提示し、持続可能な社会に貢献する。