「キーマン」とは鍵を握る人物、組織などの重要人物、中心人物のこと。

ザ・ギンザ
代表取締役
堀井清美 氏

ザ・ギンザ
プレステージブランド事業部 ブランドマーケティング統括部 部長
今西友梨子 氏

資生堂グループのザ・ギンザ(THE GINZA)がフレグランス市場の開拓に本腰を入れている。例えば2024年12月、ナルシソ ロドリゲスのリュクスライン「ムスクコレクション」を日本に初導入。同じく2024年発売のイッセイ ミヤケ パルファムの新作で、大地と海との邂逅ともなる「塩」がテーマのフレグランス「ル セルドゥ イッセイ」は、計画比5倍のヒット商品に導いた。販路拡大にも乗り出し、特に化粧品専門店との協働を強化している。同社の堀井清美代表取締役と今西友梨子プレステージブランド事業部 ブランドマーケティング統括部 部長にフレグランスに賭ける熱い思いを語ってもらった。

取引店数は年内に100店になる

――いまザ・ギンザがフレグランスに注力する理由を教えてください。

堀井 私は2024年12月末まで資生堂ジャパンのプレステージブランド事業本部本部長を務めていたように、長らく高級化粧品ブランドのビジネスに携わっています。19年、フランス・パリに足を運び、強い衝撃を受けたんです。例えば、独自な美を生み出し続け〝フランスの知性・哲人〟とも称されるアーティスト、セルジュ・ルタンスは、1980年に資生堂のイメージクリエイターになり、資生堂が持つ東洋の神秘性を西洋的な解釈で表現し、欧米の審美眼の厳しい層から高い評価を得ています。92年、ブランド「セルジュ・ルタンス」の世界観と商品を体感できるコンセプトショップ「パレロワイヤル-セルジュ・ルタンス(旧称:レ・サロン・デュ・パレロワイヤル・シセイドー)」がオープンし、パルファムの創作を本格的に始めました。パレロワイヤルは、ブルボン朝オルレアン公の居城として築かれ、1643年、当時5歳のルイ14世がルーブル宮殿から移り住んだことで、「ロワイヤル(王宮)」と呼ばれています。パリ・セーヌの右岸、ルーブル美術館近くにあり、長い歴史が醸し出す特別な雰囲気を宿す特別な場所です。創業153年目を迎えた資生堂は、このような文化資産を無数に保有していますが、資生堂のオリジンである日本で十分に生かし切っていないのではないか。私は2019年に、そのような強い問題意識を持ったんです。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

ログイン