「キーマン」とは鍵を握る人物、組織などの重要人物、中心人物のこと。

ユーグレナが創業20周年の節目を迎える。同社が2005年12月に世界で初めて食用屋外大量培養に成功した微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素を持つ。成人に必須の9種類のアミノ酸をバランス良く含んでおり、特に希少成分のパラミロンを多く含んでいることが学者や専門家の間で話題だという。微細藻類ユーグレナは、二酸化炭素を炭水化物などに固定化して酸素を作る「光合成」で成長し、増殖する。つまり地球環境に優しいサステナブルな素材である。食品、バイオ燃料や飼料、肥料、バイオマスプラスチックなど多岐にわたる応用範囲を生かして、同社はヘルスケア、アグリ(農業)、エネルギーの3分野の社会課題を解決する考えだ。

左から、上級執行役員の金城煥氏、上級執行役員の新田直氏、執行役員の井上陽介氏

大手企業と協業し藻活の認知を広げる

――まず主力のヘルスケア事業の状況はいかがでしょうか。

金城煥(以下、金)私たちは、日々の食事を通じて藻類を摂取し、人にも地球にもサステナブルな生活の実現を目指しています。藻類の価値は世界中で認知が進んでいます。例えば、モデルの加治ひとみさんは腸活を取り入れ、「藻活(日々の食事に藻類を取り入れて健康的でサステナブルな生活を目指す取り組み)」の情報も発信し話題になっています。藻活には、私たちが取り扱う微細藻類のユーグレナとクロレラだけでなく、大型藻類のワカメやコンブ、ノリ、ヒジキなども含んでおり、美容メディアなどでの情報発信が増えています。大手流通業が商品を取り扱うなど、認知が広がっています。海外でも、例えば、ミュージシャンのジャスティン・ビーバーさんの妻が海藻類の一種で作ったスムージーをSNSで発信するなど、セレブリティの間で人気に火が付き、ミドル層まで浸透し始めているところです。このスムージーの売上高は年間1億ドルに達したそうですから、藻類の可能性は十分にあると思います。

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