エステーの2026年3月期第1四半期業績は、売上高が前年同期比4.4%増の109億6100万円と増収、利益面は営業利益4億3700万円、経常利益5億9100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3億5200万円と各段階で黒字化した。売り上げは、前期6月に事業譲受けを行ったペットケアが増加した他、米価格高騰からフードケア商品の需要増により伸長したホームケアが寄与した。利益は、一部局へのCM出稿を差し控えたことによる広告宣伝費の減少に伴う販管費の減少により黒字反転した。
カテゴリー別の売り上げを見ると、エアケア(消臭芳香剤)は、前期新製品として貢献した寝室用フレグランス「消臭力 Premium Aroma For Sleep 寝室用」や「消臭力 コンパクト」が減少し、2.7%減の48億2100万円だった。
ペットケア(猫用トイレ用品)は、事業譲受した分が上乗せとなり、63.1%増の9億7900万円。
衣類ケア(防虫剤)は、 “清潔感”と“シンプル”がテーマの「ムシューダ NOTE」を拡売したものの、収納スタイルの多様性に伴う市場の低迷から、「ムシューダ 引き出し・衣装ケース用」「ムシューダ クローゼット用」といった既存の主力品が減少し、12.6%減の15億8000万円と苦戦した。
ホームケア(フードケア・クリーナー他)は、米価格高騰から備蓄に対する関心が高まり、お米を虫から守る「米唐番」の需要が拡大し、21.0%増の13億4000万円となった。
湿気ケア(除湿剤)は、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しにより除湿剤の需要が抑えられたことで、2.2%減の9億2900万円だった。
サーモケア(カイロ)は、シーズン終了後の返品が多い期間となるが、ロスの削減に向けた取り組みとして返品を抑制したことで、1億3500万円と増収となった。
ハンドケア(手袋)は、海外向けの手袋の需要が回復し、6.0%増の11億7300万円となった。
26年3月期通期業績は、売上高9.5%増の527億円、営業利益50.7%増の25億円、経常利益34.3%増の28億円、親会社株主に帰属する当期純利益43.6%減の16億円と前回予想を据え置いた。