エステーの2024年3月期通期業績は、売上高が前年比2.4%減の444億7200万円、営業利益44.5%減の13億4100万円、経常利益29.3%減の19億3000万円、親会社株主に帰属する当期純利益30.3%減と減収減益となった。売り上げは、衣類ケアやハンドケアの需要が落ち込んだ他、暖冬によりサーモケアが減少したことが影響した。利益面では、主要品目の値上げをしたものの、原材料価格上昇に伴う原価コストアップや、新規事業投資による一時費用や人件費等販売費及び一般管理費の増加により大幅な減益となった。

カテゴリー別売上高は、エアケア(消臭芳香剤)は、「消臭力 DEOX」シリーズが落ち込んだものの、「消臭力 Premium Aroma」シリーズにラインアップ追加した心地よい空間づくりをサポートする寝室用フレグランス「消臭力 Premium Aroma For Sleep 寝室用」や“瞬間消臭”+“継続消臭・防臭”の二つの消臭パワーを凝縮した「消臭力 コンパクト トイレ用」等の新製品が貢献した他、「消臭力 Premium Aroma Stick」や「消臭力 トイレ用 Premium Aroma」等の高付加価値品が伸長し、2.5%増の202億5500万円となった。

衣類ケア(防虫剤)は、昨春シーズンは外出機会が増加したことにより購買行動が低迷したことに加え、秋シーズンでは機会ロスや今春シーズンは気温の影響で衣替え時期がズレたこともあり、「ムシューダ クローゼット用」「ムシューダ 洋服ダンス用」といった既存の主力品が落ち込み、10.6%減の71億4300万円だった。

サーモケア(カイロ)は、カイロの販売価格を見直し利益は改善しているものの、冬シーズンは暖冬傾向で需要の落ち込みや、価格競争力の低下により、10.4%減の42億2000万円だった。

ハンドケア(手袋)は、衛生意識の高まりによる需要が落ち着いたこともあり、指先を抗ウイルス加工した「ファミリービニール うす手」手袋や使いきりの極薄手タイプが落ち込み、3.2%減の56億5500万円となった。

湿気ケア(除湿剤)は、タンクタイプは値上げにより貢献したものの、シートタイプが落ち込んだことから、3.4%減の28億8200万円となった。

ホームケア(その他)は、「米唐番」が好調に推移した他、「エステーペット」は新製品の発売によりラインアップを強化し、天然由来成分を配合した消臭スプレー「エステーペット 実感消臭スプレー 猫用」や置き型タイプの消臭剤「エステーペット 実感消臭 置き型 猫用」が貢献し、0.6%増の43億1500万円となった。

25年3月期通期業績は、売上高10.6%増の492億円、営業利益49.1%増の20億円、経常利益19.2%増の23億円、親会社株主に帰属する当期純利益9.8%増の14億円と増収増益の見通し。