エステーの2024年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比7.4%減の97億4700万円、営業利益が47.4%減の1億100万円、経常利益が46.2%増の4億4900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が79.5%増の2億7100万円となった。売上高は、エアケアや衣類ケアといった主要カテゴリーの減少が響いた。利益面では、主要品目の値上げや、マーケティング費用を抑制したことによる販管費減はあったものの、原材料価格上昇に伴う売上原価率の上昇で営業減益となった。

カテゴリー別の売り上げを見ると、エアケア(消臭芳香剤)は、高付加価値品の強化と海外のEC事業の育成に向けた取り組みを推進。「消臭力 Premium Aroma Stick」にラインアップ追加した環境に優しいウォーターベース処方を採用したアロマシリーズが貢献したものの、「消臭力 DEOX」シリーズや内食需要の落ち着きにより「脱臭炭 冷蔵庫用」シリーズが落ち込み、5.6%減の47億6100万円と苦戦した。

衣類ケア(防虫剤)は、収納スタイルの変化に合わせた吊り下げ収納タイプへの注力や、大容量タイプを拡売。今春の衣替えシーズンは外出機会の増加による期ずれ等により、「ムシューダ
クローゼット用」「同 引き出し・衣装ケース用」や「ネオパラエース」といった既存の主力品が落ち込み、15.3%減の15億6300万円となった。

サーモケア(カイロ)は、返品が見込みより少なかった結果、19.8%増の1億88百万円となった。

ハンドケア(手袋)は、衛生意識の高まりによる需要が落ち着いたこともあり、指先を抗ウイルス加工した「ファミリービニール うす手」手袋や海外向けの手袋が落ち込み、15.3%減の11億3200万円となった。

湿気ケア(除湿剤)は、「備長炭」シリーズや「ドライペットクリア」の拡売を強化し、高付加価値品へシフト。販売数量は減少したものの、タンクタイプの値上げが貢献し、1.1%増の9億7200万円と増収となった。

ホームケア(その他)は、「洗浄力」や「米唐番」のブランドを育成していく他、ペット用品拡売への取り組みを積極的に推進。「エステーペット」は伸長したものの、「洗浄力 おひさまの洗たく くつクリーナー」や前期発売した「新鮮番」が落ち込み、3.8%減の11億2900万円となった。

24年3月期通期業績は、売上高1.7%増の463億5000万円、営業利益が1.4%増の24億5000万円、経常利益が2.5%増の28億円、親会社株主に帰属する当期純利益が3.9%増の19億円と期初予想を据え置いた。