エステーの2025年3月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比5.4%増の241億4500万円と増収だったが、営業利益11.6%減の12億1200万円、経常利益16.9%減の15億300万円と減益、親会社株主に帰属する中間純利益69.0%増の20億4200万円の大幅増益となった。売り上げは、6月3日に花王から「ニャンとも清潔トイレ」事業を譲り受け事業拡大したペットケアが大きく貢献した他、主要カテゴリーであるエアケアの伸長が寄与した。利益面では、いくつかの品目の値上げをしたものの、円安による仕入価格の上昇に伴うコストアップや、売上控除のリベート等の増加、中期経営計画策定に伴うパーパス制作費用やのれんの減価償却費など販売費及び一般管理費の増加により営業利益、経常利益とも減益だった一方、負ののれん発生益の増加により親会社株主に帰属する中間純利益は大幅増益となった。

カテゴリー別の売り上げをみると、エアケア(消臭芳香剤)は「消臭力 Premium Aroma」シリーズが伸長した他、前期発売した心地よい空間づくりをサポートする寝室用フレグランス「消臭力 Premium Aroma For Sleep 寝室用」や「消臭力 コンパクト」が貢献し、3.2%増の110億8700万円となった。

ペットケア(猫用トイレ用品)は、「ニャンとも清潔トイレ」ブランドを活用したペットケア事業の更なる強化もあり、売上高は16億7500万円(前年同期の売上高は7600万円)と大幅な増収となった。

衣類ケア(防虫剤)は、“清潔感”と“シンプル”がテーマの「ムシューダ NOTE」に新たに「引き出し・衣装ケース用」を追加し、「ムシューダ Premium Aroma」シリーズでは上質で可憐な金木犀の香りを新たに発売し、市場活性化に努めたものの、今秋の衣替えシーズンが長引く残暑の影響により需要がずれ込んだことで、「ムシューダ クローゼット用」「ムシューダ ウォークインクローゼット専用」といった既存の主力品が減少したこともあり、3.1%減の39億400万円となった。

ホームケア(フードケア・クリーナー他)は、今夏のお米の品薄による備蓄米対策の需要もあり「米唐番」が堅調に推移した他、気になる汚れを簡単・きれいに“泡”でふき取り、手軽に使えるスニーカー専用洗剤「洗浄力 水のいらない スニーカークリーナー」が貢献し、2.5%増の24億500万円と増収だった。

湿気ケア(除湿剤)は、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しにより除湿剤の需要が抑えられた他、今秋の衣替えシーズンがずれ込んだことによりムシューダとの同時購入での需要が減少し、5.5%減の18億1300万円となった。

サーモケア(カイロ)は、前シーズンの返品が見込みより多かった影響や、長引く残暑の影響により売り場の立ち上げが遅れたことで32.0%減の8億2800万円と大幅な減収となった。

ハンドケア(手袋)は、衛生意識の高まりによる需要が落ち着いたこともあり、海外向けの手袋が落ち込み5.8%減の24億2900万円と苦戦した。

25年3月期通期業績予想は、売上高10.6%増の492億円、営業利益49.1%増の20億円、経常利益19.2%増の23億円、親会社株主に帰属する当期純利益96.1%増の25億円と前回公表数値を据え置いた。